今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

喫茶見習(その 3)フレンチトースト de アンキパン with カフェラテ

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藤子不二雄で漢字を覚えた。ドラえもんハットリくんパーマン、怪物くん……枚挙に暇はないが、ふりがなつきなので、貪るように読んだ。


小学校も高学年になると、コロコロを卒業して、ジャンプに夢中になる。えっ、まだコロコロ読んでるの? なんて雰囲気にいたたまれなくなる。


大概そこで藤子不二雄も卒業となるけど、安孫子先生のまんが道、藤本先生のTPぼんなど名作に出会い、隠れキリシタンのように信仰を続けた。


やがて高校の頃A先生のブラックユーモア、F先生のSFなど短編集に出会う。シニカルかつペーソスにあふれる作品で、人格形成に影響を受ける。


両先生が富山出身で、地元北陸にゆかりがあったのも信仰心を保ち続けた理由かもしれない。地方からの上京物語は自らの人生にも当てはまる。


たまのひとりをどうするか持てあまし、川崎にある藤子・F・不二雄ミュージアムへ行こうと決心する。事前予約制だし、密にはならないだろう。


10年前の開館以来、子どもにかこつけて行きたいと思っていたけど、思えば子どもは藤子マンガとの縁が薄く、躊躇う間に大きくなってしまった。


ともあれ、決意は揺るがない。ひとり活動には慣れているので、予約を済ませ、ローソンでチケットを購入して、向ヶ丘遊園駅から徒歩で向かう。


展示の素晴らしさは述べるまでもない。撮影OKの場所ではガンガン写真を撮り、豊富な原画に目を凝らし、家族連れに紛れて短編映画を鑑賞する。


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F先生のSFといえば「少し不思議」。日常とSFのゆるやかな融合は、無数のフォロワーを生み、今なおマンガ文化に多大な影響を与え続けている。


さてさて、前置きが長くなりましたが、お昼に混み合う前に食事処へ。HPで目星をつけておいたフレンチトースト de アンキパンを注文する。


アンキパン。ドラえもんの秘密道具で、本にペタリと押しつけて転写してから食べると、その内容が暗記できる。のび太のテスト対策で登場です。


結局、食べすぎてお腹を壊した=暗記も忘れたってオチだったかな。この量ならオヤツ程度なのでのび太の二の舞にはならないぞ、なんて思う。


フレンチトーストを食べ慣れないので、味の機微がわかっているか自信がありませんが、ぽってりした甘さとアイスのフレッシュさが合います。


皿のチョコレートソースをまぶしつつ、キレイに完食する頃、カフェラテも到着。おお、これがラテアートですか、思ったより緻密なんですねえ。


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崩してしまうのが勿体ないけど、飲んでこそカフェラテの本懐。砂糖をサラサラ入れて、泣く泣くマドラーで撹拌する。うん、甘くておいしい。


向こうの席では、見事に描かれたドラえもんのカレーを食べたくないと男の子が泣いている。わかるなぁ、キャラ弁とかって時に残酷だよねえ。


すっかり甘くなった口を水でリセットして席を立つ。展示はひと通り堪能したので、ガチャガチャしたり、土産物を買ったり、髄の髄まで楽しむ。


帰りのバスも藤子・F・不二雄仕様で、すっかり童心に返る。ああぼくはどうして大人になるのだろう、などと武田鉄矢の歌を思い出す半日でした。


ごちそうさまでした。


しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。