今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 604)小海老かき揚げ天そば in 箱根そば本陣

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フラッグシップ、すなわち旗艦は司令官が搭乗して指揮をとる艦隊の要諦である。転じて、企業の商品群のなかでも特別な、最高級のものを指す。


例えばトヨタのクラウン、ホンダのレジェンド、日産ならシーマ。セダン離れの令和の世では今は昔ですが、いずれもメーカーの大看板でした。


一方でフラッグシップ店もある。アパレルブランドが銀座に軒を並べるのが浮かびますが、飲食でも創業地やターミナル駅に旗艦店があります。


前置きが長くなりましたが、こちらは箱根そばのフラッグシップ、新宿駅にある箱根そば・本陣です。本店ではなく本陣なのが小田原攻めっぽい。


挽きぐるみを加えたそば、出汁感を高めたツユ、かき揚げは小海老入りが特徴。生活動線から外れていますが思い立ったが吉日、いざ参らんかな。


他店とは一線を画した本陣、脳内BGM独眼竜政宗です。まだ朝そばもある時間帯だけど、やはり小海老かき揚げを食べねばなるまい(義務感)。


PASMO 530 円お支払い。他店のかき揚げそばが 420 円だから、力の入れようが知れる。分業制のキビキビした盛りつけ手順に見惚れつつ待つ。


パッと見はいつものかき揚げそば。本陣には写真には映らない美しさがあるからね。丼ぶりを持ち上げツユをゴクリ、アチチ、味よりまず、熱い。


少しずつつくるという出汁は風味豊かに感じる。先入観なんだろうけど、おそらく感じる。そばは熱いツユに負けないくらい風味がありますね。


かき揚げは玉ねぎ、人参、青菜に小海老。露出した上部はサクサク、フニフニ。ツユに浸る喫水線以下はモロモロ、グズグズ。両面性が楽しい。


そんななか、小海老の硬質な殻が食感のアクセント。噛めば噛むだけ風味が出てきて、咀嚼するタイミングに悩む。何気にほうれん草も嬉しいな。


七味をかけてズルズルすすれば、背中にジワリと汗をかく。頭の中では、小田原攻めのとき政宗が白装束に身を包んだっけ、などと渡辺謙を想う。


わざわざ足を伸ばしてよかった。通常の箱そば比でどれだけおいしかったではなく、110 円分の体験として値打ちがありました。また、来よう。


ごちそうさまでした。


しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。