今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 364)ひつまぶし風キーマカレー

f:id:socius_lover:20210906181145j:plain


幾つも恋して、順序も覚えて、KISS もうまくなったけど、初めて電話するときにはいつも震える♪そう、手慣れた素振りすら、背伸びなのかも。


LINE でつながるスマホ文化の令和っ子にはわからない、平成初期のヒット曲ですが、初めての店に入るときは、いつも脳内で再生されています。


カウンターだけの店内は、夜はバーになるのでしょう、内装も BGM も落ち着いている。ともあれ店前のメニューで予習済、カレーにハズレなし。


ランチは定番のスパイスカレー、オリエンタルなアジアカレー、そして、ひつまぶし風キーマカレーの3種類。思いもよらないキーマに引かれる。


なんでも、半分ほどになりましたら、スープを注いでサラサラとお召し上がりください、とか。なるほど、ひつまぶし「風」といえばそのとおり。


ひつまぶしの本質は、ウナギをお櫃のご飯に混ぜ込む=まぶす点だと思うけど、ことば遊びだな。ともあれ、気持ちのよい接客に期待が高まる。


まずは彩りキレイなサラダ。ニンジンのマリネがおいしい。お次になぜだかシソの葉ジュースが登場。おお、甘酸っぱい。どれも丁寧な仕事です。


そして真打ち、キーマカレー。挽き肉は食感が残り、適切に辛い。お好みでどうぞというハバネロパウダーを振ると、しっかり辛い。楽しいな。


添えられたゴボウはシャキシャキで、彩りのニラは茹でたてなのかクキクキです。自家製っぽい自然な色の福神漬けは酸味がきいて辛みに合う。


おいしさのあまり、すぐ半分くらいになってしまう。深平皿にスープをかけるなんて、ねこまんまのような背徳感だけど、エイヤ、と思い切る。


見た目はまったくもってカレーおじや。勝手にインドの離乳食を連想する。かなり辛いので、お品書きどおりに、サラサラとは食べられませんね。


自分では思いもつかない組み合わせ、世間は広いな〜としみじみ思います。スプーンを一所懸命に動かして、ひと粒残さずに完食。得難い経験だ。


食後はヨーグルトとバニラの香りのするコーヒーをいただきつつ、まったり。するとママさんと常連さん風の会話が聞くともなしに聞こえてくる。


なんでもタバコがまた値上げするとか。最近の事情は知らないけど、エコー、しんせい、ピー缶、ゴールデンバットなど懐かしい単語が飛び交う。


上品なのにざっくばらんで、なるほどバー営業に向いてる。はやくコロナ禍が落ち着いて欲しいものだとしみじみ思いつつ、コーヒーを飲み干す。


ごちそうさまでした。


しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。