今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 633)ねばとろそば

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ふと思い立ち、八王子城を目指す。暑くもなく寒くもない気候で、ロング散歩には絶好のチャンス。朝の高尾駅に降り立つ。


朝食抜きなので何か食べたかったけど、「ええい、ままよ」と着の身着のまま出立する。なんとかなるでしょ、の精神です。


後北条氏の出城だった八王子城は百名城の1つとか。なんでも豊臣秀吉による小田原攻めの際はかなりの激戦地だったらしい。


城跡への道すがら、昭和天皇陵を横目で眺め、眞子さまに幸多からんことを祈念する。40分ほどで八王子城跡入り口に到着。


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入口手前には「イノシシ危険注意」の看板があり、嫌な予感がしたけど、完全な軽登山です。高尾山よりハードかもしれない。


登山道の途中にある看板には「本丸攻めには前田利家上杉景勝が参加」とあり、有名どころの登場にテンションが上がる。


途中見晴らしがよく、山城は敵軍が遠くから見えるだろうなあと感心する。やがて戦国の世が終わると、平城になるわけだ。


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八王子神社、本丸跡など、登山道の要所を押さえつつ歩みを止めない。止まったら、たぶんもう動けない。ファイト、オレ。


人はまばらで、足を捻ったら完全に遭難案件だなと覚悟する。「山を舐めるな」と心の中の登山家にこっぴどく叱られる。


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帰りはバスに乗りたいので、発車時刻に合わせて慌てて下山。バスはわずか10分で高尾駅に戻るも、食事処はまだ開店前。


しかたないので西八王子駅へ移動して、駅前の立ち食い店でとろろそばをたぐる。独立系の立ち食いは、まず、ハズレがない。


肉そば、かき揚げそば、鶏天そばなど心躍るメニューがあるなか、高尾山の近くだし、とろろがのったねばとろそばを注文。


熱いツユが、汗をかいて冷えたカラダに沁みる。色の濃いそばにヌルヌルのとろろがからんで、五臓六腑にやさしさが広がる。


ここで、グラスの水を一気に飲み干す。登山に行くのに、水も、飴も持たずに行くのは無謀だったと改めて反省する次第。


ナメコは冷たく、ヌルヌル、ムニムニと味のアクセント。途中七味をかければ、ふわっと香りがたち、ますますおいしくなる。


沈んでいた海苔を引き上げ、そばと一緒にすする。磯の香りは、山のとろろと色も味も好対照で、バランスのよさに感心する。


なお熱いツユがうまいのなんのって。滅多に完飲しませんが、思わず余すところなく飲み干ちゃう。百点満点、大満足です。


思えば、晩秋の登山も、途中の無補給も、おいしく熱いそばを食べるための前振りだったのではないか?そんな気がしました。


ごちそうさまでした。疲れました。