喫茶店の軽食はどうしてあんなにおいしいのか。なんてことのないカレーやスパゲティだけど、魔法がかけられたように満足できる。
食後のおいしいコーヒーが約束されているのが、要因かもしれない。定食屋と異なり、食後に慌てることなく、ゆっくり過ごせる。
ナポリタンかな、カレーかな。朝しっかり食べて、そんなにお腹がすいてないから、たまには趣向を変えてサンドイッチにしよう。
にわかに楽しくなってきた。サンドイッチはトーストされたものが多く、タマゴ&チーズ、ツナトマト、ハムなどの王道もいいな。
メニューの裏には、生ハムカマンベール、パストラミ、スモークチキンなどの小洒落たものもズラリ。肉っぽいパストラミにしよう。
そもそもパストラミってなんだろう。なんとなくコンビーフの親戚くらいにしか思ってなかったけど、調べると燻製肉のことらしい。
ルーマニア語由来で、移民によってアメリカにもたらされた、とか。へええ、なんでも調べてみるもんだ。知識は荷物になりません。
ルーマニアは冷戦の影が色濃いマスターキートンの終盤の舞台でしたね、チャウシェスクの隠し財産。ドナウ文明、あるといいなあ。
調べていると先客にナポリタンが到着、ズゾゾと啜っている。ケチャップの匂いとおいしい音に、今度食べようと誓うのでした。
さてパストラミサンド。トーストしてあり、香ばしさがあふれます。ひと口かじればサクッ、モムモム。パストラミがおいしい。
フレンチドレッシングかな、酸味のきいた味付けが実に愉快。調べると、ルーベンサンドにはザワークラウトか、コールスローが必須とか。
おいしい組み合わせを心から楽しむ。食後には、約束されたおいしいコーヒー。違いのわかる男、脳内ナレーションとともに、チビチビと。
ごちそうさまでした。