今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 391)うな丼

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「うどんはうどんでも、メン類ではないうどんってなんだ?」。街角ですれ違った親子の何気ない会話が気になって仕方ない。


これは桜玉吉の漫画のネタですが、氏は悩んだ末「西郷どんに違いない」と思いつくも、周りから「ぎゅうどん」と言われる。


なぞなぞの正解はさておき、うどんが食べたくて足をのばしたのに、お目当ての店は外まで人があふれている。これはイカン。


慌てて周囲をみると、鰻屋さんの席があいている。給料日でもお祝いでもないけど、清水の舞台から飛び降りて暖簾をくぐる。


メニューをみれば、うな丼なら1700円、財布を念のため確認しちゃう。うな重もあるけど、ここは最安値のうな丼かな。


並、上、特上。一般にうな重のランクは、鰻の質ではなく量によるとか。すると、うな丼は推してしるべし。でも、楽しみだ。


白焼き、う巻き、うざく、肝焼きなど、ビールが似合いそうなメニューを眺めるだけで嬉しくなる。お天道様の高さを恨むね。


鰻さまとは久しぶりのお目通りです。鰻はそれなりに大きくニンマリ、タレの芳しき香りを楽しみつつ、お吸い物をひと口。


やおら大きく口をあけ、鰻とご飯をガブリと。鰻はふっくらしつつ、脂はサッパリ。老舗の程よいタレの甘辛さが泣かせます。


あとは山椒をふって、ガツガツいけば、おいしくて、シアワセ。それ以外あまり考えたくない。途中、お新香で脂をリセット。


半分食べて、卓上のタレを少し追いがけすれば、なんとも贅沢な殿様気分。いつも以上に、丁寧にひと粒残さず平らげます。


鰻は、産卵海域など生態が不明で完全養殖ができないらしく、絶滅危惧種とか。せめて獲られたものはおいしく食べないとね。


うどんではなく、う(な)どんになってしまいましたが、こんな日もたまにはいいかも。我がランチに、一片の悔いなし。


ごちそうさまでした。