今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 695)カレー南ばんそば

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暑さ寒さも彼岸まで。三寒四温で移りゆく季節に、カラダが追いつかない。冬に蓄えた体脂肪なのか、薄手のコートなのか、体温調節が難しい。


そんな春の日のカレー南ばん。スッキリしない気候なので、熱さと辛さでスカッと体温を上げてしまう寸法です。早く来ないかな、南ばん。


東夷、西戎北狄、南蛮。古代中国ではそれぞれ周辺に住まう異民族の蔑称として使われていました。後漢書東夷伝倭人=日本について記述があります。


倭奴国王、すなわち金印の話ですね。漢書地理志、魏志倭人伝もそうですが、文字のないころは、中国の歴史書のみが文献史学の頼みなわけで。


古代のロマンを解き明かすのは、考古学、言語学、人類学など、総合的に解釈しないといけないんだろうな。そんなことを思いつつ、南ばん。


南の海からやってきたので、ポルトガル人やスペイン人は「南蛮人」。そんな南蛮人が好んでいたから、ネギを南蛮ともいい、ネギ入りだから南蛮そば。


そうそう、唐辛子のことも南蛮といいますので、七味をたっぷりふりかけて、いざ箸を割る。そばを持ち上げると、もったりとツユをまとってます。


カレー汁がはねないように、そろそろとすすり込む。スパイシーなツユは、かつおダシもきいており、少し酸味も感じられる。喉ごしはカッときます。


豚肉はキシキシと歯ごたえよく、ネギはクタクタに煮えてカレーとよくなじむ。塩むすびが欲しくなる、安定かつ絶妙な味の濃さに、ニンマリ。


単語として「南蛮」だけが日常に残ったというのは面白い。蝦夷なんてのは、日本史の用語だもんな。さて、当初の目的どおり、しっかり汗をかきました。


ごちそうさまでした。