麺屋武蔵。かつてはニューウェイブでしたが、今や押しも押されもせぬラーメン界の重鎮。都内を中心に暖簾分けも数多いけど、本店は激戦区・新宿。
小滝橋通りは西口大ガードから大久保方面に伸びる片側一車線の道で、武蔵の他にも蒙古タンメン中本、ラーメン二郎などのビッグネームが居並びます。
さて、ランチタイムのピークを越えた時間帯。券売機前に立つも、豊富なメニューに圧倒され、ラーメンか、つけ麺かの2択すら悩ましい。
そんなときは、店名を冠するラーメンを選ぶのが一番確かだな。滅多に来る店ではないし、店の本気を食べておかないと、悔いが残りますしね。
ジャズがガンガン流れる店内、黒Tシャツに身を包む店員は元気よく、小綺麗で清潔なカウンターに陣どる。いかにも気鋭のラーメン店に、背筋が伸びる。
普段使いの街中華やオーソドックスなチェーン店とは一線を画し、お値段含めてよそいきの雰囲気ですね。客層も、カップルや若いビジネスマン風が多い。
さて、やってきたのは瀟洒な一杯。スープを飲めば、まずはおいしい。魚介系と動物系のダブルスープは、今でこそ珍しくないけど、やはり格別な旨み。
麺もモチモチとスープをよくからめとり、上質な生パスタに比肩する味わい。しっとりおいしいチャーシュー、歯ごたえのよいメンマも文句なし。
夢中で食べ進めたのち、お楽しみの味付けたまごを箸で割る。黄金色に輝く黄身は、約束された濃厚なコク。白身の淡白さとのコントラストがいいね。
なんというか、ラーメンというより、麺料理って感じ。若いころ、ファミレスではなく背伸びして、いわゆるレストランに入ったときを思い出します。
ともあれ、おいしくいただく。胃の丈夫な若いころはお金がなく、小金をもったオジサンになると胃がもたれる。兎角人の世は生きにくい、ですね。
ごちそうさまでした。