定食屋さんの看板に、カキフライの文字を見つける。あれ、今はカキ、大丈夫な季節だっけ。冷凍かな、それとも岩ガキかな、季節はずれのプレゼントに喜ぶ。
カキは英語でRのつく月に食べろとの格言があり、裏を返せば5〜8月は自重しろとのこと。花見過ぎたらカキ食うなともいうし、古の忠告は疎かにできまい。
とはいえ、現にこうして出している店があるのだから、21世紀の科学技術を信頼して注文する。すると、思った以上に大粒なひと皿にウキウキが止まらない。
ソースをかけてガブリとかじりつけば、揚げたての魔法がかけられたカキフライは旨みの爆弾である。口の中に潮を弾けさせ、すかさずご飯をかきこんじゃう。
冷凍か、岩ガキか。バカ舌なので判別不能ですが、おいしいは正義、もはやどちらでもいい。ふわふわの身、苦みのキモ、クニクニのヒモが鼎立する。
ふだんのカキならば、これらを三位一体で楽しめますが、大粒ゆえにひと口ごとに各部位の個性が際立つ。これは新しい体験だな、とオカズヂカラに感謝する。
味噌汁を飲み、香の物をつまみ、レタスを食む。残るフライと白米の残量を按配しつつ、おいしく完食。ヘルシーかつ滋養が豊富なカキ、嬉しい限りです。
ごちそうさまでした。