今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 445)大豆ミートのしょうが焼き定食(冷汁変更)in やよい軒


代替肉の響きには、なんらかの主張を感じる。SDGsベジタリアンヴィーガンなど目指すところはそれぞれだけど、私は主義者ではないので、無頓着である。


カップヌードルの謎肉が大豆と知ったときはかなり驚いたもんです。最近はスーパーでも取り扱うので、ナスの焼き浸しに利用したり、親しく思ってはいます。


さて、学生が夏休みだからか、普段は外まで客があふれるランチタイムのやよい軒に余裕がある。チャンスを最大限にいかすのが私の主義なので、券売機に臨む。


定食類を選ぶと、大豆ミートの文字が目に飛び込む。外食で食べたことがないので、興味本位で選ぶとしょうが焼きらしい。味噌汁を180円で冷汁に変更する。


普段なら冷汁がメインだけど、本日は大豆ミートが主役である。さながら日本ダービーのあとの目黒記念のごとく。わかる人にしかわからない例えですね。


思いの外はやく到着した定食は、どこからみてもおいしいヤツやん。まずは、冷汁で箸を湿らせて、大豆ミートをガブリ。何もいわれなければ、肉そのもの。


よく味わうと、どことなくフワフワしていて、繊維がないぶん歯に挟まるという意志を感じない。これはむしろ、歯茎の下がった中年への福音ではなかろうか。


キャベツには醤油をかければ、サッパリと口直しになる。たっぷりのマヨネーズはもやしに絡ませて、オカズヂカラを上げておく。でも、全部野菜なんだよな。


もりもり食べられるけど、冷汁も控えているので遠慮がちに白米を食べる。やよい軒はおかわり自由だけど、自由には高度な自律が必要なので、自重する。


半分ほど残したご飯を、冷汁にポトリと入れる。これだけでも背徳感あふれるのに、レンゲで氷ごと米を食べてゆく背徳感といったら、ひと言ではいえません。


九州ならではの豆味噌の風味が物珍しく、食欲を加速する。あらかた食べ終えてなお残る冷汁に後ろ髪をひかれながら、おかわりを堪え忍び、箸をそっと置く。


ごちそうさまでした。