今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 464)煮込みハンバーグ定食

 

ハンバーグの原体験はマルシンである。牛肉輸入自由化前は、一般家庭でハンバーグなぞ出てこなかった。ブルジョワは知らんけど、少なくとも我が家では。

 

ゆえにマルシンの練り物にも通じる味わいが原体験だった。ミートボールならばイシイのオベントくんだし。牛肉はごくたまにすき焼きを食べるくらいだった。

 

今の若い世代はハンバーグというと、香ばしく焼かれて、ナイフを入れると肉汁ジュワーで、芯にほんのり赤みが残っているものを思い浮かべるかもしれない。

 

でも、昭和の食卓では半生など御法度だった。我が家のハンバーグは、鬼の首を取るようにグツグツと蒸し焼きにされ、こぼれた肉汁で煮込まれてたっけな。

 

前口上が長くなりましたが、煮込みハンバーグ定食。「昔なつかしい味!」との添え書きにて即決で注文です。10分待ってやってきたのは、ザ・ハンバーグ。

 

箸で食べるのがいいよね〜とひと口食べれば、お肉はフワフワ。噛むごとにケチャップ味が染み渡り、シャキシャキの玉ねぎも合わさりオカズヂカラ抜群です。

 

これこそハンバーグよ! 炭火焼きの香ばしいのもおいしいけど、あれは高級料理の類いだよね。家庭料理が至高ではないけど、舌が覚えているなつかしい味。

 

濃いめの味つけはごはんだけでは薄まらない。サラダ、味噌汁、お浸しを喰みつつ、ごはんをかきこむ。具なしナポリタンが添えられているのもたまらない。

 

おふくろの味という響きは嫌いだけど、年のせいか、昔を思い出す味に弱いなあ。チェーン店とは一線を画すレトロな味は、しみじみ大切にしたいですね。

 

ごちそうさまでした。