今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 483)サンマ塩焼定食

 

立冬を過ぎると、いよいよ食卓も冬支度となる。果物でいえば柿や梨から、ミカンやリンゴへと入れ替わるし、秋刀魚ことサンマともお別れの季節となる。

 

先日立ち寄ったやよい軒では、すでにサンマの塩焼きは売り切れだった。カキフライは冬の間も楽しめるけど、サンマは見かけなくなるので、特に名残惜しい。

 

で、店先の黒板にサンマ塩焼の文字を見つけ、席に着くやサンマを注文。グリルでこんがり焼くのだから、じっくり待とう。待つ時間もランチのうちです。

 

やってきたのは胴がふっくらしたサンマちゃん。最近は不漁とか、身が細いとかいろいろ聞くけど、これだけ立派なら文句なし、焦げ目の美しさにニンマリ。

 

まず、上半分の身をむしってパクリ。アツアツで、脂ものって、ほんのり塩がきいて言うことなし。皮もパリパリで香ばしく、オカズヂカラに満ちてます。

 

当然にごはんがすすむ。サンマ、ごはん、サンマ、ごはんとテンポよく食べてゆく。徐々に尾のほうへ食べてゆけば、よく動くからか身が締まってくる。

 

お次は下半分。たっぷりのワタもおいしくいただく。この苦味はごはんよりもぬる燗だけど、ランチタイムにそんな不埒な妄想は禁物。味噌汁で口を洗う。

 

表の半身を食べ終え、骨の裏手を少しずつこそげ取って食べてゆく。骨っぽい魚を自ら好んで食べるようになるなんて、二十代までは考えられなかった。

 

 

年をとると、嗜好がはっきり変わる。良し悪しではなくて、カラダの要請なんだよね、きっと。今シーズン最後のサンマ、我ながらキレイに食べ切りました。

 

ごちそうさまでした。