冬になると、日本昔ばなしの囲炉裏のごとく、ことこと煮込みたくなる。不思議なもので、素人料理でもダシで煮込めばハズレがない。あとは味つけの違い。
雪平鍋が大活躍の季節、手始めに芋煮をつくる。芋煮というのはかなり略された料理名で、正確には「里芋と牛肉の醤油煮込み」とでもいうべきである。
いや、うちの地元は豚肉だ、何を言うか味噌味だ。などと主張はあろうけど、レシピ検索で上に出てきた味つけにする。個人的には醤油味が好きです。
下ごしらえが大変なので、里芋は横着して処理済の「さとまるく〜ん」を使う。国産がよかったけど、みんな同じことを考えているのか売り切れでした。
まあ、さとまるく〜んで十分おいしいけどさ。分量どおりに調味料を加えて、小一時間で完成。里芋のねっとりと牛肉の甘みがよく似合うメニューです。
翌日は鍋用の豚もつを買ってきて、どて煮をつくる。大根、コンニャク、ゆで卵など赤味噌が似合いそうな淡白な味の具をどんどん入れ、もつの脂を吸わせる。
途中、火を入れて冷ますを何度か繰り返して、よ〜く味を染み込ませる。仕上げに青ネギと七味を散らせば、酒のアテにも、ご飯のお供にもバッチリなひと品。
2時間かかったのに、食べたらものの十数分。誠に儚い。あたかもチベット僧がつくる砂曼荼羅の如し。冬眠しないかわりに、脂肪を溜め込みそうな冬の訪れ。
ごちそうさまでした。