真冬の豚汁は文句なしにおいしい。表面に油膜がはるアツアツのダシにふうふうと息を吹きかけ、湯気の切れ間をズズズっと飲めば、五臓六腑にしみわたる。
そんな豚汁がうどんとコラボなんて、おいしくないわけがない。イメージとしては味噌仕立てのけんちんうどんかな。豚肉が入るので、けんちんではないか。
ともあれ、正月にTVを点けていると、やたらとTOKIOによるCMが流れていた丸亀製麺の豚汁うどん。コクと旨みの特製味噌だしとやら、食べねばならぬ。
レジに並んでいると、ニラとバターのトッピングに気づく。丸亀製麺にはそんなに来ないし、おそらく一期一会だろうし、どうせなら全乗せを食べておくか。
行列の先客はみな、ぶっかけうどんに天ぷらのせといった讃岐うどんの王道をいく。ミーハーなキャンペーンにのせられる自分がチト気恥ずかしくなりました。
ともあれ、サービスのネギ、天かす、生姜ものせてもらう。特に生姜は本来の風味を変える可能性があるけど、悲しい貧乏性ゆえ、無料トッピングは断れない。
さて、丼ぶりの上が忙しくなっており、うどんがほぼ隠れています。まずは、丼ぶりに口づけして汁をズズズ。辛めの味噌味はおにぎりが欲しくなる濃度です。
うどんを引きずり出してすすれば、モチモチ食感がなんともはや、おいしい。旨みを凝縮した石狩鍋の〆をいきなり食べ始めたような、そんな錯覚に陥ります。
ひらひら肉が味噌をからめとり、バターの芳醇な香りが鼻に抜ける。具材は玉ねぎ、キャベツ、にんじん、ごぼう、ニラ。どれも味が濃く味噌に負けてない。
深い味わいはどこからくるのかと調べると、コチュジャンとオイスターソースが隠し味らしい。こんど自宅でも試してみようかな、と思いつつうどんをすする。
おデコに汗がにじむころ、あらかた食べ終えて、濃厚な味噌ダシが残るのみ。普段は塩分を気にして汁は残す派ですが、本日ばかりは、君子豹変して完飲です。
ごちそうさまでした。