豚骨ラーメンというと、横浜家系のようなこってりから、喜多方のようなあっさりまでさまざまである。煮出し方によって濃度も、透明度も異なってくる。
全国津々浦々に散在するけど、豚骨ラーメンと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、平成初期の豚骨ラーメンブームの牽引役でもあった博多ラーメンである。
とはいえ豚骨臭バリバリの店は、都内では少ない。博多天神など武骨なチェーンもあるけど、やはり外国客にも好かれるような一蘭や一風堂が多く展開する。
こちら東京ドームシティの一風堂。ラクーアが改装するとかでムーミンカフェなど周囲の店が閉店しており、やがて一風堂もなくなるだろう。時代の流れだな。
この辺りは一蘭もあったけど、ドームシティはファミリー向けの施設だから、味集中システムとの相性がよくなかったのか、撤退を余儀なくされている。
ともあれ本日は洗練された博多ラーメン、一風堂のノレンをくぐる。タブレットにはキャンペーン中の味噌赤丸が映し出され、一期一会、頼まねばなるまい。
サービス辛もやしを喰み、ルイボス茶を飲みつつ待つ。程なくやってきたのは、スープが赤い器に映える一杯。マー油部分にレンゲを差し込み、ひと口ゴクリ。
おや、甘い。こってりと濃度が高いスープだけど、豚骨の深みの上に味噌の甘さが感じられる。やや太いちぢれ麺を持ち上げれば、スープがよくからむ。
博多豚骨を求めておいてなんですが、方角的には北の大地、札幌味噌ラーメンに伍する味わいです。真んなかの赤味噌を溶かせば、辛みが加わって実に温まる。
途中で、辛もやしをラーメンに乗せて、むしゃむしゃと食べてゆく。基本の豚骨スープがおいしいから、応用の味噌味もおいしいのだな、と納得する一杯です。
桜木花道もキソ練習ばかりでくさっていたけど、最後に役立ったのは身体能力に頼ったスラムダンクではなく、2万本練習したジャンプシュートだったわけで。
ごちそうさまでした。