今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 839)味噌煮込みうどん

 

あだち充の名作「H2」に「待ってる時間も、デートの内」という言葉がある。あいにくデートには縁がないけど、ポジティブな考え方には深く感銘を受ける。

 

いわば「待ってる時間も、食事の内」なのだ。ラーメン店の行列も、何ヶ月待ちのお取り寄せスイーツも、こう考えるとステキ時間が長く楽しめているといえる。

 

で、味噌煮込みうどん。寒空のもと店外で待つも、約束された至福の味を思い、堪えがたきを堪える。幸いに、入れ替わりのタイミングだったようで程なく入店する。

 

すでに注文してあるので暖かい店内でひと息つき、水を飲んで舌を冷やしておく。到着した味噌煮込みはマグマのように泡がポコポコ出て、カメラのレンズも曇ります。

 

かたまる前の黄身をレンゲでごはんに移し替え、熱いツユをかける。そこに味噌煮込みに浮かぶかしわ肉ものせ、箸で黄身をほどけば、ミニ味噌親子めしの完成です。

 

まだまだ熱いうどんをいく筋かトンスイに取り分け、口に運べばゴワゴワとかたい。望むところとばかりにアゴを駆使すれば、グミのように歯を押し返してくる。

 

ここで七味をたっぷりふって、どんどん食べてゆく。熱を帯びた土鍋は、保温性に優れ、アツアツを長く食べられるのだ。濃ゆい味噌スープを、ふうふうと飲み進める。

 

お新香で小休止して、ごはんをかきこむ。少し熱の入った黄身、底にたまった味噌スープ、旨みの詰まった小ぶりなかしわ肉のジェットストリームアタックに耽溺する。

 

赤味噌は塩分が少なめというけど、やはり喉が渇く。外で待って冷えた体を、味噌煮込みで芯から温めて、さらに水でリフレッシュする、サウナのようなランチです。

 

ごちそうさまでした。