安住紳一郎アナは「しょうゆ大使」である。種類、製法、産地にも詳しく、その博覧強記には頭が下がる。かくいう私の地元も醤油五大名産地の1つだが、もっぱら食べるだけである。
醤油はだいたいの料理に合うけど、単独よりも、ダシとの組み合わせでより本領を発揮する。オカズがないからといって、白米に醤油をかけて食べることはまずない。
餅と醤油は合うのに不思議ですが、パン、パスタ、そばなどの主食に醤油単独で味つけすることもない。バターのひとかけでもあればいいけど、醤油は個性が強すぎるのかも。
しかし、醤油うどんは、茹で上げたうどんに生醤油を回しかけて食べるのである。どうやら香川県ではポピュラーな食べ方らしく、県のホームページにも記事がある。
https://www.pref.kagawa.lg.jp/seiryu/osusume/tokusannbutu/kisyoyu.html
うどんはそばと異なり打つときに塩を用いるし、茹で上げたばかりのうどんを小麦の刺身だと考えれば、わからないではない。胃がつらいとき優しくしてほしい味です。
で、サービスの生姜、天かすを入れてもらい、醤油を回しかけて箸を割る。まずは醤油とうどんのみを味わう。モチモチしたうどんは甘みすら感じられ、醤油と好対照。
しばらく食べたのち、器のなかを箸でかき混ぜて、生姜と天かすを全体にまぶす。すりおろし生姜の辛みは、チューブなどとは違って揮発性の香りと繊維が素晴らしい。
天かすは、ザクザクした歯ごたえを残したものや、すっかりモロモロになったものまで、グラデーションの食感が嬉しい。おいしさのあまり、ものの2分で食べ尽くす。
ダシに頼らない、醤油の万能性を改めて感じるひとときでした。個人的には、カツやフライにはソースと同じくらい醤油が合うと思うので、天ぷらにも積極的に試していきたいな。
ごちそうさまでした。