今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その240)大判きつねそば

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「この油揚げ、大きいね」。家族の声に改めて見ればたしかに大きい。よく前を通る店なのに、この食品サンプルは見逃していた。


いろいろ見ているようで、結局ニンゲン自分の見たいものしか見ないんだな、と猛省。こいつは一回試してみるべきだと、オヤツがてら実食。


サンプルに偽りなく、丼ぶりからはみ出さんばかりのど迫力。このキツネなら虎の威を借りるまでもないだろうね、いわば九尾の狐ですな。


そんな油揚げを、ちょっとめくってそばを持ち上げる。麺、ツユは勝手しったる安定の梅もと味。七味を振りかけてスルスル食べて、いざ油揚げ。


ガブリといけば、意外なことに常温で、冷たく感じる。このコントラストは楽しいけど、もう一口ガブリと食べて、ツユに漬け込んでおく。


全体としては、ツユと油揚げの具合が赤いきつねに似てます。これは、これは私にとっては最上級の褒め言葉なんですよねー。語彙が貧困だ。


やがて油揚げはふっくらツユを吸い、どうぞ食べてくださいと言わんばかり。よっしゃよっしゃとかぶりついて、油とツユのハーモニーを楽しむ。


家なら油揚げからツユをチューチュー吸っては、またツユに漬け込んでふやかす「ネコノヒー」作戦をとりますが、さすがに外食なのでガマン。


いつもの通勤動線に、自分では気がつかなかった刺激があるものですね。いっそ、券売機の端から順に食べるくらいしてもいいかも?


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 155)なか卯の牛丼

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なか卯の看板メニューはなんだろう。「丼ぶりと京風うどん」がウリなのは知ってる。親子丼はおいしいし、うどんもかなりのクオリティだし。


しかし、この手のチェーンのフラッグシップはやはり牛丼であろう。松屋だって、すき家だって、吉野家の影を追いかけているのだ、たぶん。


なか卯といえば、長ネギやシラタキがのせられた独自路線だったが、リニューアル後は見たところ「ふつうの」牛丼になったようす。どれどれ。


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まずは、なか卯ご自慢のこだわり卵をあらくかき混ぜ、牛丼にトロリとかける。紅生姜を添えたなら、味わいも、彩りも、ステージが上がるネ。


肉をよけ、ツユだく、卵かけご飯を楽しむ。これだけで商品になるくらい、おいしい。なんというか鰻の匂いでご飯を食べるような感覚。


しばらく食べたのち、紅生姜で口をサッパリさせる。すると目の前には、肉並盛り、ご飯少なめ牛丼が待っている。ではでは、いただこう。


牛肉は甘くて、しぐれ煮のようなイメージ。追加で入れた紅生姜との相性よし。リニューアル前との比較はさておき、これはこれでおいしい。


ところで、向かいのカウンターの青年は、朝から「自殺論」を難しい顔して読んでいる。こんなにお安くおいしく食べられるんだから、悩むなヨ。


残るご飯をカツカツとかきこんで、席を立つ。厨房からは「ありがとうございました、またお待ちしてます」と朝から気分があがる元気な声が。


なあ青年、悩むのは若さの特権だけど、楽天的になるのもまた、若さの特権だゾ。オジサンくらいになるとしみじみそう思うヨ。


ごちそうさまでした。



定食春秋(その 154)マーボー豆腐定食

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この写真、隠れミッキーみたいだナ。それはさておき、いま静かに激辛ブームらしい。TV でもみかけるけど、完食できない辛さはもったいない。


そう、もったいないのだ。辛みで胃腸が傷もうと自己責任だからいいんだけど、食べられないほど辛くする番組はあまりに扇情的で、無責任だな。


まあ、大食いチャレンジもそうだけど、ほどほどがいいよね。ギャル曽根みたいにキレイに食べるというのも、立派な芸だと思うんですよね。


ともあれ、マーボー豆腐も、辣油や花椒のきいたやたらと辛い本格派がはやってます。たまに食べるとおいしいけど、毎日は無理かなぁ。


こちらのマーボー豆腐はやさしい、昭和な味。マボちゃんなんて呼びかけたくなる、昔なじみのような懐かしさ。最近、どこ行ってたのヨ?


口はピリッと辛いけど、食道や胃には辛味は残らない。激辛ブーム何するものぞといった風情が楽しい。マーボーとライスを交互に食べてゆく。


やがてトロミは少なくなり、シャバシャバになってきたマーボーを一気にかきこんで、楽しいひとときはおしまい。また、食べにこよう昭和マボ。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 239)かき揚げそば

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かき揚げは、素材のかたちのママ揚げたもの or 大判焼きみたいな型で揚げたもの、に大別される。前者はサクサク、後者はフワフワなことが多い。


これは好みの問題。どちらもおいしいし、その日の気分で食べ分ければよいのです。ただ、店によって流儀があるので、店を選ぶ必要がある。


こちらのそば店は、いわゆる姿揚げ風のかき揚げ天。大きさの当たり外れはあるけれど、本日はおまけのようなハミ出しがうれしいかき揚げです。


まずは、ひと口。ハシュッとした音が心地よいですネ。天ぷらを揚げる音、釜のお湯の煮える音、そばの湯切りの音。すべて静かな BGM です。


サクサク食感のかき揚げは、野菜の甘味が感じられていいナ。安定のダシをまとわせればモロモロに崩れるけど、野菜の歯ざわりは残ります。


安定、安心の味ってありがたい。自分の体調を図るバロメーターになるし、何より心が落ち着くしね。ズルズルとそばをたぐり、つゆをグイッと。


今日の体調はヨシ!


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 238)たぬきそば

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久しぶりの新宿「かのや」。どれもおいしいから悩むけど、シンプルにたぬきそば。食券を提出すれば、なんと三連続でたぬき、たぬき、たぬき。


たぬきのジェットストリームアタック3rd チルドレンならぬ 3rd タヌキアンとして呼び出しを待つ。しかもみんなうどんでなく、そばなのね。


やってきました、ザ・たぬきそば。揚げ玉、ワカメ、ネギが三国志のごとく群雄割拠。そこに赤壁の戦いと言わんばかりに七味をかけちゃう。


丼ぶりに口をつけ揚げ玉を流し込むと、サクサクした軽いスナックのような食感ダネ。しかし、すぐにモロモロとポタージュのようなトロミ感に。


つゆは関東風。しょう油はあっさりながら深みのあるダシが旨し。うどん用の関西風つゆでそばを頼めるらしいけど、照れくさくて頼めない。


回転のよい店なので、七味がキク! ワカメでカリウムをとりつつ一気呵成に食べ終える。やはり、通勤動線から逸れてでも来る価値あります。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 153)ねぎとろ丼

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いつも人気の和食屋さんだけど、今日は殺気立つくらい賑わっている。なんとかカウンターに滑り込めたけど、後客は満席です〜といった具合。


唐揚げ気分で注文すると「すみません、揚げものはヒジョーにお時間をいただきますが」とのお答え。なるほど、本日はてんてこまいなのね。


カウンター席から丸見えの厨房に刺し身や焼き物が並んでいるけど、揚げものは追いついていない様子。こだわりもないので、ねぎとろ丼を頼む。


ねぎとろ、久しぶりだ。急に魚気分が盛り上がってきたので、ウキウキ待ってるとあっという間にやってくる。揚げものの人、なんかゴメン。


まずはマグロをねぎと和えつつ、丼ぶり上面に敷きつめる。小皿で溶いたワサビ醤油を回しかければ仕上がりです。さてさて、みそ汁をひと口。


あとは一気呵成にかきこむのみ。米粒よりもふわふわのマグロに、シャキシャキねぎの歯ざわり。我が手を遮るものは何もない。いざ食べ進まん。


それなりによく噛んだつもりだけど、先客の隣のマダムをあっという間に追い越して完食。ちょっと恥ずかしいので、お茶を飲んでみたりする。


でも、満席の状態で粘る勇気があるでなし、隣のマダムに笑われるわけでなし、そそくさと席を立つ。今度は揚げものリベンジしたいな。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 237)ちくわ天そば

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立ち食いそば界隈にも得意分野がある。攻めるメニューの箱根そば、攻めすぎる富士そば、オーソドックスな小諸そば戦いは数だよゆで太郎


ヒエラルキーではなく棲み分け。みんな違ってみんないい。その日の気分で店を選べば無問題。胃腸が何やらもたれる今朝は、ちくわ天気分。


芯のない、やさしい食感に癒されたい。かき揚げや揚げ玉は店によって、硬くエッジがきいてるけど、ちくわ天は万国共通でやわらかいだろう。


で、こちら梅もとのちくわ天はロングサイズが2本並んで壮観ですねえ。バッファローマンのロングホーンを思い出すビジュアルにニンマリです。


パチリと箸を割り、ウキウキとちくわ天をハフハフと食べれば、東海林さだお先生のエッセイを思い出す。そう、ちくわの成り立ちの話です。


白身魚が釣られて、さばかれて、練られて、焼かれて、ようやくちくわになる。あげく衣をつけられ、揚げられてちくわ天。原形みじんもなし。


和食は素材を生かすと思われがちですが、ちくわ天を食べるときに、白身魚の風味を感じて食べたことがない。と言うより魚とすら意識しない。


そんなちくわ、というより名も知らぬ白身魚の苛烈な運命を思いつつ、ちくわ天をかじる。サクサクの衣がツユでしっとりして、ベリーグー。


半裁とはいえ2本もあると食べでがある。そばをすすりつつ、ふやけたボディとなったちくわ天を食べ終え、水をガブリ。練り物はノドが乾くネ。


さて、張り切って働きまっしょい。


ごちそうさまでした。