今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 694)岩ガキ with 生ビール in 近江町市場

 

英語でRのつかない月にカキを食べるな。そう信じてきた。5〜8月のカキは身が細るし、当たりやすいらしい。ところがこれは流通が悪い時代の、真ガキの話だとか。

 

なんでも岩ガキは夏が旬らしく、まさに今が食べごろ。桜玉吉先生も「しあわせのかたち」で、千葉の漁港で岩ガキを堪能していたっけ。なるほど、チャンスなのだ。

 

金沢の台所、近江町市場に足を踏み入れると、ひといきれでむせかえっている。見れば店先には、カニ、エビとともに岩ガキが並んでいる。能登あたりの特産物らしい。

 

両親は金沢生まれだけど、昭和の頃はコールドチェーンが未発達で生ガキなんて食べたことがないだろう。わが家でカキというとカチカチに揚げて縮んだフライだった。

 

ビールと飲める店を探して列に並ぶ。ラッキーなことに1分も待たずに呼び出しがかかる。サイズ別の岩ガキは1000〜2500円の選択肢。中くらいの1700円を選ぶ。

 

私史上最大の生ガキはよくできたデザートのように、表面張力でプルプルしている。レモンかポン酢でどうぞ、とあるけどまずは何もつけずにガブリ、潮が飛び出す。

 

急いでビールを飲めば海の活力が血液にみなぎる。おいしいを通り越して感動すら覚える味わい、贅沢してよかった。レモン汁をかけると、カキの旨みが引き立ちます。

 

たまらず、現金を取り出して、1000円のカキも追加注文。こちらは、ポン酢でいただこう。口いっぱいに磯の香りが広がる喜び、悪いことを覚えたような恍惚の刹那。

 

まだ太陽は高いのに、ビールを飲むのは背徳感に拍車をかける。まあ、ご先祖さまに会いにきたのだし、年イチの北陸行きなんだから、お天道様も許してくれるだろう。

 

ふと見れば後客は大行列。運が良いときに並んだようです。エビやマグロにも惹かれたけど、腹具合とも相談して打ち止めにする。玉吉先生も、食べ過ぎてお腹をこわしていたし。

 

ごちそうさまでした🍺

 

定食春秋(その 693)うな丼 with どじょう串 in 金沢

 

金沢の外れで墓参を終え、繁華街に戻るバス停へ向かう。それにしても、人っ気がない。ふだん東京にいるから麻痺しているけど、日本は人口減少の少子化社会なのだ。

 

ふと、かつての通学路に「かばやき屋」さんを見つける。20周年の貼り紙があるから、地元を離れたあとにできたんだな。故郷にお金を落とすのも立派な推し活だね。

 

メニューをみると、小ぶりなうな丼に名物というどじょう串がついたBランチが1100円。お手ごろ価格に一目惚れして注文し、壁にずらり並ぶ記事や色紙を眺める。

 

サイン色紙は、わざとわかりにくく書いてあるのではないか。ほとんどがわからないけど、ずんの飯尾さんは読み取れる。諱じゃないんだから、素直に書いて欲しい。

 

 

お盆だから四つ足を避けているのだろう。持ち帰り客が後を絶たない。カウンターの端っこでお茶を飲んでのんびり待つ。タレの香りがかすかなのは、関西風なのかな。

 

さて、ご対面。まずはお吸い物で箸を湿らせる。うなぎは小ぶりだけどお値段を考えれば文句なし。白焼きのように色が薄く、カリッと焼き上げる関西風なのだろう。

 

一切れ持ち上げてかじると、サクッとした歯触りで、脂がおいしい。慌ててご飯をほじくって追いかけて食べる。いちど関西の「まむし」を食べたいと思っていたのだ。

 

ふわっとした関東のうなぎとも、しっとりした名古屋のひつまぶしとも違う。偶然の出会いに感謝しつつ、漬け物をつまむ。さて、名物?らしいどじょうの串を試そう。

 

キシキシとした歯ごたえで、少し苦味があり、噛めば噛むほど味が出る。ああ、これはビールが欲しくなるけど、こちらはアルコールの取り扱いがないようだ、無念。

 

小ぶりな丼ぶりだから、食べてしまえばあっという間。腹六分目半くらいだけど、せっかくの金沢なので、繁華街でおいしいものをさらに食べるから、ちょうどいいや。

 

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 692)大船軒のサンドヰッチ

 

 

年に一度、墓参りのため日帰りで金沢へ行く。仄暗いイベントなので、せめて食事でも楽しまないとやってられない。朝イチの東京駅、駅弁の有名どころは大行列です。

 

お盆の帰省客、インバウンドの異人さん、金融勤めだろうか、ビジネスマンもちらほら。人混みに酔って並ぶ気にはなれず、新幹線ホームの駅弁屋で軽食をみつくろう。

 

いくら弁当とか、牛肉弁当とか、東京とはおよそ関係なさそうな弁当が並ぶ。深川めしは東京名物だけど、Kindleを読みながらつまみたいので、サンドイッチにしよう。

 

まい泉のカツサンドもいいけど、デパ地下にあるもんな。おや、大船軒。鯵の押し寿司が有名だけど、サンドイッチ、もといサンドヰッチもあるんだな。キミに決めた。

 

新幹線が静かに動き出す。お隣さんは早々に駅弁を食べ始めたけど、旅情としては気が早い。まだ、上野駅の地下ホームすら通過していないのだ。じっと我慢の子。

 

旅と日常の境目は、東海道新幹線なら新横浜、北陸新幹線なら大宮辺りではないか。そもそも、海沿いを走る東海道新幹線に比べ、関東平野の車窓は非常に退屈である。

 

何回目かわからないけど、この季節には姑獲鳥の夏が読みたくなる。関口達が雑司ケ谷の病院に着くころ新幹線も大宮に着く。テーブルを広げて、いざ、いただきます。

 

片手で持てる、理想的なサイズ感。これはサンドイッチ伯爵もご満悦だろう。ハムサンドはしっとりおいしく、チーズは少しカラシがきいて、朝の胃を起こしてくれる。

 

この味にはハイボールが似合いそうだけど、朝イチの新幹線にハイボールはいかんだろう。じっと堪えて、麦茶で喉を潤しつつ、あっという間に食べ終えてしまう。

 

カツサンドも買えばよかったかな。Kindleから目を上げれば、民家と、田んぼと、遠き山並み。長野に着くと好天になっていてアツイ墓参になりそうだとため息を吐く。

 

ごちそうさまでした。

 

麺喰らう(その 1041)煮干し油そば in ラーメンスタンド at 鴨居

 

スタンドと聞くと、季節柄、真夏の太陽に照らされた甲子園のアルプススタンドを思い浮かべる。あるいは、幽波紋ことジョジョの奇妙な冒険のアレ、かもしれない。

 

ひと昔まえ、大きめの駅にはコーヒーやミルクのスタンドがあった。サンドイッチやあんパンをお供に、行き交う電車を眺めながら、一日の活力をチャージする。

 

移動の高速化やコンビニの隆盛もあって、立ち食いスタンドはほとんどみかけない。新大阪駅のミックスジュース、もう何年も行ってないけど、子どもが好きだったな。

 

さて、こちらはターミナルでもない、ともすると地味な駅の改札そばにあるラーメンスタンドです。今どき立ち食いそば屋でも珍しい、イスなしのストロングスタイル。

 

オヤツ代わりなので、何も考えずに一番お安い780円の食券をポチリ。カウンター越しに提出すると、サービスライス、大盛り1.5玉を尋ねられ、泣く泣く辞退する。

 

年々食が細くなってるなぁ、と思いながらカウンター上をみると、ニンニク、豆板醬、煮干し酢、ラーメンコショー、チャーマヨご飯用のマヨネーズなどが並ぶ。

 

ここで気づく。シンプルな外装で気づかなかったけど、ここは横浜、どうやら家系ラーメンのスタンドなのだ。不明を恥入りつつ待てば、ほどなく丼ぶりがやってくる。

 

生玉子付きなのが嬉しい。すぐにわかる煮干しダレの香りが鼻腔をくすぐります。麺はやや細めで、ゆるやかなウェーブ、軽くかき混ぜると、タレがよく絡みますな。

 

ズルズルすすれば、麺の歯切れよく、油そばらしい濃厚な味わいが舌に踊る。生玉ねぎは苦手なんだけど、煮干しのパンチが効いていて、甘みが感じられて、おいしい。

 

チャーシューをみるに、サービスライスでミニ卵かけご飯〜が正解だったのだと思う。初見だし、事前情報も調べなかったから致し方なし。偶然の出会いを楽しもう。

 

家系らしく海苔が主張するけど、いかんせん煮干しダレが強烈で、すべてを包み込んでます。途中で玉子を溶いてざるそばよろしくつけてすすると、まろやかな喉ごし。

 

ニンニクにも惹かれたけど、これから一日の活動を考えると、自重しようかな。煮干し酢と残りの卵をまわしかけ、一気に残りを食べ尽くす。質量ともに、大満足です。

 

店のつくりをみるに、もともと立ち食いそばだったのだろうか。牛丼チェーンやファミレスとの競り負けが続いている立ち食い界隈ですが、こちらは頑張って欲しいな。

 

ごちそうさまでした。

 

麺喰らう(その 1040)塩そば

 

塩ラーメン。醬油、味噌、豚骨に比べるとハッキリ言って地味である。味の決め手はスープのコクで、油っ気も少なく、なんなら、袋麺のサッポロ一番が一番おいしい。

 

思い浮かぶのは、函館ラーメン。昆布ダシの絶妙な味わいが楽しめる。滋味ではあるが、華やかではない。やはり函館に行ったら、ラッキーピエロか、寿司が食べたい。

 

さて、都内の某私鉄沿線。地味な駅前でいつも行列をなすこちらのラーメン店は塩ラーメンが主力とか。たまたま平日開店すぐに通りかかると先客はない、チャンスだ。

 

四の五のいっても根っからのラーメン好きなので、行列の理由を確かめておきたい。肉丼セットにもひかれたけど、ここはシンプルに塩そば一択。カウンターで待つ。

 

水を飲みつつ、愛読するラーメン再遊記を思い出す。塩ラーメンはサッポロ一番が偉大だけど、タンメンやちゃんぽんも塩ラーメンの文脈で整理するべきというお話。

 

なるほど。スープの濃淡はあれど、みんな塩ラーメンなのかもね。外食で塩ラーメンを食べるのは、八幡山にあった五稜郭以来だから、ひさかたぶりの、食わず嫌いだ。

 

おお、綺麗な盛りつけ。スープを飲めば和食の極みのような、フランス料理のような、深〜いコク。なるほど、醤油や味噌では味が強すぎて、この味は出せないのか。

 

しなやかにスープに泳ぐ細ストレート麺は小麦の香り高く、すすれば素直に口に飛び込んできて、歯を当てるとプチプチと弾ける。薬味のネギが鼻腔をくすぐります。

 

しっとり大きなチャーシューは、歯ごたえがあって、ピリ辛のカイワレと相性バッチリ。半分くらい食べてから、ペッパーミルで胡椒を挽けば、グンと味が引き締まる。

 

ズルズル、どうやら。モグモグ、塩ラーメンを。ゴクゴク、アップデートしていなかったかもしれない。麺好きとしてはお恥ずかしい限り、不徳を恥じながら水を飲む。

 

ひと息ついて我に返る。後客のランチ肉丼が目に入ると、どうやら、うずたかく積み上げられたローストビーフ丼のようだ。くうっ、再訪の機会があればぜひ食べねば。

 

塩ラーメン、地味ではなく、滋味でした。

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 691)ちらし寿司 featuring すし太郎

 

ちらし寿司と聞いて「♩ちら〜し〜寿司〜なぁら ちょいとすし太郎」という、北島三郎の軽快な歌声を思い出すアナタ。はい、昭和生まれですね? 私もです。これがメンタリズムです。

 

今どきは、誕生日のようなちょっとした家族の記念日には、ケーキを食べることが多い。なんなら、節句や七五三あたりも。確かに見栄えがするし、家族でシェアしやすいし。

 

しかし、昭和の頃はお祝いごとならちらし寿司だった。小僧寿しの台頭前は、握り寿司すら稀なご馳走で、椎茸やかんぴょうのお煮しめがのった五目ちらしが卓上の主役だった。

 

で、家族の誕生日にちらし寿司をリクエストされ、サブちゃんを思い出す。最近はキタサンブラックのオーナーとしてのほうが有名ですね。さっそくスーパーですし太郎を物色。

 

しかし、平成生まれ令和育ちには、お煮しめのちらし寿司はいかがなものか。コールドチェーンが当たり前で、回転寿司ネイティブの世代には、やはり海鮮ちらしだろう。

 

お刺身コーナーに手巻き寿司セットを見つけ、いそいそカゴに入れる。マグロ、ネギトロ、ブリ、サーモン、カニカマ、エビ、穴子、玉子。ずいぶんと豪華になりそうだ。

 

ごはんが炊き上がったので、いざ盛り付け。フライパンの上ですし太郎を切るように混ぜる。なんでも、フライパンの熱伝導で、ウチワであおがずともごはんが冷めるらしい。

 

さて、見た目もご馳走のうち。なるべく華やかに盛り付ける。寿司に添えるのは当然、永谷園の松茸のお吸い物。やっぱり、いくつになっても寿司はテンションが上がります。

 

しゃもじを卓上において、いざ、実食。うん、写真では見えませんが、たっぷり具材と適度な酸味のすし太郎は、やはりおいしい。舌が「これぞちらし」と喜んでいます。

 

しばらくすると、家族は海苔を取り出して、手巻きにして食べている。いいな、それ。お刺身は手巻き用だし、合わないわけがない。私もさっそくご相伴にあずかる。

 

酢飯の酸味と磯の香り、ほんのちょっぴりの醤油が差し味になって、めくるめく美味です。松茸のお吸い物を啜れば、すべてが渾然一体となって、日本人でよかった味。

 

握り寿司に比べ存在感の薄いちらし寿司ですが、どうしてどうして、伝統の味はやはり確か。押し寿司、なれ鮨、助六などととともに、たまに食べようと誓うのでした。

 

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 690)昔ながらの惣菜パン

 

昔ながらのパン屋は楽しい。トレイを持って、トングをカチカチいわせながら、店内を回遊する。店の片隅に、子ども向けの駄菓子コーナーがあるのも、いとをかし。

 

街並みに溶け込むこちらは、映画「花束みたいな恋をした」の舞台にもなったようで、店内には色紙が飾られているし、聖地巡礼に来たカップルもよく見かける。

 

プリンを大胆にのせた「プリンパン」も有名で、テレビや雑誌で紹介されることも多い。でも、何より素敵なのは地元に密着して、地に足のついた店であり続けること。

 

で、ランチを見繕う。ツナ玉子、ハム玉子のサンドイッチ、ウインナーパン、じゃがいもパン、ツナコーンパン、ダブルコロネ、クリームパン、フィッシュフライサンド。

 

焼きそばパンが売り切れていたのが残念ですが、どうやら映画のキーアイテムらしく、人気なのは致し方ない。でも、今日買ったパンだって、どれも食べたことがあるし、当たり前だけどぜんぶおいしい。

 

暑いわねぇ、なんて他愛もない会話を交わしつつ、元気なお母さんがレジを打つ。パン屋さんからの帰り道って、なんか嬉しくなって、足取りが弾むのは私だけでしょうか。

 

もちろん、この量をひとりで食べるわけではありません。家族が先に選んで、残りを私が食べるのです。でも、どれも食べたいパンを選んだから、余り物にも福が満ちあふれてます。

 

ドラフト会議の結果、本日の私のメニューは、ツナ玉子のサンドイッチ、じゃがいもパン、フィッシュフライサンドとなりました。冷蔵庫から豆乳を取り出し、まずはサンドイッチから。

 

うん。遠足のとき、母親が作ってくれたのを思い出す懐かしい味。ちなみに三角形タイプのサンドイッチは、鋭角の具がないトコからかじって、徐々に直角に迫るのが好きです。

 

じゃがいもパンは口を大きく開けないと食べられない。中には、ゴロリと大きなじゃがいもがマヨネーズに包まれて鎮座しており、炭水化物on炭水化物が堪能できます。

 

豆乳で口をリセットしつつ、ラストのフィッシュフライへと。ふわふわのコッペパンとしっとり衣のフライは、どれだけ歳をとっても食べられそうな優しいお味です。美味しゅうございました。

 

今どきのサクサクのクロワッサンや、カッチカチのバゲットもおいしいけど、やはり日本人の舌に合うのは昔ながらの惣菜パンではなかろうか。微力ながら食べ支えようと改めて誓う。

 

ごちそうさまでした。

 

 

 

 

定食春秋(その 689)たいめいけんドライカレー with 咖喱屋カレー中辛

 

男なら、いちどは喫茶店のマスターに憧れる。物静かな曲をBGMに、酸味と苦味のバランスよいコーヒー、簡単ながらおいしい軽食、常連さんとのアイコンタクト。

 

とはいえ、五十を過ぎれば、飲食の大変さもわかるし、身の程を知っているので今さら開業しようと夢は見ない。チェーン店隆盛の昨今、素人が勝負できると思えない。

 

しかし、自分がマスターなら、こんな食事を出したい、と妄想することくらいは自由である。ナポリタン、サンドイッチ、女性にはチーズケーキなんてのも良さそうだ。

 

そしてこだわりのカレー。ほんとはスパイスからつくりたいけど、安定感とか仕込みを考えると、業務用に頼りそうだな。我ながら、妄想なのに現実をみて情けない。

 

で、学生のころ思いついたのが、ドライカレーにカレーソースをかけたダブルカレー。あまり見たことがないし、コロンブスの卵的に、ひょっとしたらウケるかも?

 

ランチタイムに冷凍庫を見ながらそんなことを思い出す。ニチレイのドライカレーにハウスのレトルトをかけるわけで、まさに夢の競演です。レンチン、ありがたや。

 

ドライカレーを温めているあいだ、パッケージをみると、具材は豚肉、ピーマン、玉ねぎ、人参、マッシュルーム。さすがたいめいけん、最適解って感じですねぇ。

 

一方の咖喱屋カレーは、じゃがいも、人参になんと29種のスパイス! キリよく30種にしないのは、絶妙なバランスか、「ニク」種のスパイスという暗示なのか。

 

ともあれ、盛り付けてみればビジュアルは賑やか。カレーライスの白米は「余白」として働いているんだな、と今さらながら気づく。五十を過ぎても日々、学びですね。

 

まずは、カレーソースをしっかり味わおうと、ひと口パクリ。ソースの軽やかな香りが鼻腔に抜け、舌で潰せるやわらかいじゃがいもと人参がしっかり辛味を残します。

 

そして、何年ぶりだろう、ドライカレー。あれ? 白米にキーマカレーを載せたのもドライカレーと言うよな、などと思いながら、茶色に染まったごはんをモグモグ。

 

うん、美味しい。スパイスがピリッと舌で踊る、牛乳が似合いそうな味。それぞれ美味しいのだから、コンビなら、なおさら。布袋と吉川のCOMPLEXを思いだす。

 

いざ、本番。カレーソースとドライカレーの境界線、混沌としたあたりにスプーンを差し込み、ひと口パクリ。むむ。なんと言うか、口内調味を許さない、絶対辛味だ。

 

おいしいけど、相乗効果ではない。1足す1がきっちり2になった味。10とはいわないまでも、3とか4にはなると思っていたけど。味の濃さに逃げ場がない感じ。

 

この組み合わせをあまり見かけないのは、すでに先人が試して取り止めたからなのだな。ブルーオーシャンなんてそんなに簡単に見つからない。食べながら、嘆息する。

 

COMPLEXについて吉川が語っていた。「COMPLEXを組まなければ友人を失うことはなかった」と。なるほど、解散後それぞれソロで活躍してるし、その通りかも。

 

強い辛みに胃が驚いているので、冷蔵庫から豆乳を取り出しゴクゴクと飲みつつ食べる。憧れのマスターの背中が遠くかすんだところで完食。おいしかった、けどね。

 

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 688)得朝牛皿定食 in 松屋

 

松屋の朝は早い。24時間営業だから当たり前だけど、客としてはありがたい。朝の散歩途中で店に入ると、ご高齢のひとり客も多い。朝定食の良さがバレたようだ。

 

食券を買ってすぐに冷たいほうじ茶を一杯飲み干す。この季節、喉の渇きを覚える前に飲んでおかないとバテてしまう。二杯目をチビチビ飲みながら呼び出しを待つ。

 

さて、程なくやってきました、得朝牛皿定食。ずらりと居並ぶ色とりどりのメニューは、ここからの仕上げが忙しい。味噌汁のふたを取り上げて、さて、アレンジです。

 

お新香に醤油をひとたらし、海苔を開封して、味噌汁に七味をパラリ。牛皿には紅しょうがをそっとひとつまみ、そして、サラダにはフレンチドレッシングをたっぷり。

 

うーん、ザ・和食。ここに生玉子や鮭を追加すればホテルビュッフェと見間違えそうですね。その気になれば頼めるけど、散歩も半ばだから、食べすぎるとお腹がつらい。

 

まずは味噌汁をひとすすり。安定の松屋クオリティ。お新香は、白菜ではなく、キャベツと大根ですね。季節感あふれるバリバリした歯ごたえに、ごはんを追いかける。

 

牛めしでは主役の牛だけど、定食となればあくまで一兵卒。ワンフォーオール、オールフォーワンの精神ですね。少しつまむと甘いタレが舌に躍りごはんがすすみます。

 

さて、お口直しにサラダ。私が世界で一番おいしいと思う、松屋のフレンチドレッシングは、安定かつ至高のお味。そこはかとないニンニクの香りが、野菜を包みます。

 

海苔は3枚。以前に比べて減った気もするけど、朝定食には欠かせない配役だから、なくなるよりは遥かにいい。醤油に浸してごはんを巻くと、磯の香りが華やかです。

 

ん、磯の香り? 国民的アニメのカツオくんが、かおりちゃんを好きなのは、このダジャレなのかな。そんなどうでもいいことを思うなんてリラックスできてるんだな。

 

しかし手と口は忙しい。ごはんを食み、肉を頬張り、お新香で舌を洗い、味噌汁ですすり流す。麺好きなのであまり食べないフル規格の定食は、食べ甲斐がありますな。

 

やがて、どれもが少しずつ残る。宴会なら遠慮のかたまり状態だけど、朝食はフィナーレに近づく。サラダ、海苔、お新香、牛皿を片づけ、最後のごはんを頬張る。

 

ゆっくり、よく噛む。大盛が無料だけど、腹八分目のために普通盛にしてよかった。白米の甘みを堪能したところで、味噌汁をゴクリ。最後は、冷たいほうじ茶で〆る。

 

牛丼店に余韻は無用。紙ナプキンで口をぬぐい、卓上を拭き、トレイを下膳する。おや、千客万来なのか、一番上の返却口しか空いてないな、よいしょと背伸びする。

 

出入口に向かうと、御歳七十は超えているであろうお姉さまが、ひとり朝ごはんを楽しんでいる。もはや牛丼店も、コンビニと並ぶ社会インフラなんだな、と感心する。

 

ごちそうさまでした。

 

 

 

 

麺喰らう(その 1039)五目そば

 

最近、晩酌しすぎたので、血圧やら尿酸やらがよろしくない。家族の目も痛いので、しばらくはお酒は控えよう。そうなると、ランチが貴重な自由飲食の機会となる。

 

身も心も胃も小っちゃいオジサンなので、量はそれほど食べられない。ゆえに初めての店では慎重になる。うかつに大盛なぞ頼むと、つらい思いで完食するハメになる。

 

都道沿いにたたずむ定食屋さん。ずっと気になっていたけど、店内がまったく見えないつくりなので、なんとなく腰がひけて、20年の間、ただ店前を通り過ぎていた。

 

逆にいえば、駅からも遠い住宅街で、何十年も続く人気店ということなのだ。店前のメニューはお手頃だし、ラーメン、カレーから各種定食まで出すのは実力の証だな。

 

ノレンをくぐると小ぶりな店内にはテーブルもお客さんもギッシリ。四人席に案内されて気まずいけど、半分荷物置きになっているようで、これなら相席にはなるまい。

 

店内メニューは、店前よりもさらに充実している。シンプルなものでまずは味試しと思ったけど、麺類の豊富さに我を忘れる。ペットボトル入りの麦茶を飲みつつ吟味。

 

別テーブルにはカツカレーが到着。おいしそうだな。「ごめん、大盛にしちゃったから、食べてくれるかな〜」。注文違いを笑う常連さん、横目でみるとかなりの量だ。

 

さて、少し肌寒いし、麺類で温まろう。壁の一辺を埋め尽くすメニューを右から見ていくと、五目そばを見つけました。価格はチャーシューメン、カントンメンと同格。

 

これは期待できそうだ、と五目そばを注文すると冷奴がやってくる、サービスかな。箸を割り、醤油をタラリ。豆腐の角からつまむと、生姜とネギがきいておいしい。

 

豆腐って、冷奴とか、湯豆腐とか、シンプルに回帰するよなぁ。麻婆豆腐も好きだけど、年々、さっぱりが恋しくなる。とか考えているとやってきました、五目そば。

 

みたところ、野菜たっぷり塩ラーメン。たとえが可笑しいけど、サッポロ一番の実写版みたいな印象。スープを飲むと滋味あふれて、藤岡琢磨の笑顔まで浮かんでくる。

 

もちろんサッポロ一番のようなケミカルな旨みとは違うんだけど、昭和っ子のDNAを揺さぶるおいしさ。なぜか、CMソングどおり白菜、椎茸、人参が入ってます。

 

大ぶりのナルト、存在感を放つチャーシュー、正月以来の紅白かまぼこ。どれも存在感バッチリ。そして、ゆで玉子は当然、黄身がカッチカチで、スープによく合う。

 

大量の具材に隠れている麺を、よっこいしょと持ち上げれば、太めのストレートで、ふうふう、ハフハフと食べる。マグマのように熱いので、ズルズルとはいけません。

 

麦茶を飲みつつ食べれば、エビ、豚コマ、めんま、わかめ、長ネギなど、どんどん新キャラが登場。「五目」とは種類が多いこととはいえ、どれだけ入っているのだろう

 

ミシュランにのるような高級店、ガッツリとおなかいっぱいの二郎系、ごはんがよく似合う家系など、流行り廃りはあるけれど、こういう生活密着型がやはり楽しい。

 

地元の中学生だろうか、みんなランチの大盛サービスを頬張っており、若さが力強くて、しみじみ眩しい。私も今日が一番若い日なんだから、と、元気をもらえました。

 

ごちそうさまでした。

 

いつかせんべろで夕食を(その 10)辛味チキン in サイゼリヤ

 

えーっと、イタリアンのファミレスはサイゼリヤだっけ、サイゼリアだっけ。オジサン世代だと、小林亜星が歌う「パッと!さいでりあ」のCMソングが脳裏をよぎる。

 

まあ、ノスタルジーなんですけど。ともいれCMのインパクトは凄かった。まったくリフォームに興味のない20代の私ですらその存在をいまだに覚えているのだから。

 

さいでりあも、小林亜星も今はいない。ただ、サイゼリヤに関する小さな困惑だけが私の胸に宿る。などと関係のない前置きが長くなりましたが、本日のちょい飲み。

 

お通しのないチェーンを攻めている私のちょい飲みですが、いわば本命がサイゼリヤです。そもそも安くておいしいがウリのイタリアンに、アルコールを合わせる悦び。

 

店に入ると、地元の中学生の団体が。みんなで料理をシェアして、ドリンクバーを活用すれば、マックよりもリーズナブルなのかもしれない。オヤツにサイゼリヤとは。

 

さて、メニューを開けば、生ジョッキは400円。なんとグラスワインは100円、デカンタ大でも400円とは。さすがにワインは気後れするので生ビールにしよう。

 

おつまみはどうしよう。ミラノ風ドリア300円、マルゲリータ400円、カルボナーラ500円。脳がバグるお値段ですが、これではしっかりと食事になってしまう。

 

あくまでちょい飲み、おつまみを求めて、辛味チキン300円を選ぶ。注文すればほどなくジョッキのお出まし。持ち上げると、軽い。プラスチックなんだね。

 

辛味チキンを待ちつつチビチビとビールを舐める。喫茶店がわりに使う一人客、家族連れの食事、居酒屋がわりの団体さん。人間模様を眺めているとチキンの到着です。

 

「鉄板が熱いのでお気をつけて」。店員さんのコメントどおり、テーブルから鉄板の熱気があふれてきます。手羽先だから素手でいきたいけど、とてもじゃないが無理。

 

フォークとナイフで切り分けてパクリ。表面はサクサク、中はしっとり。思ったほど辛くないので、チキンの繊維を噛み締めつつビールをあおる。うん、シアワセ。

 

二つ目からは、世界の山ちゃんの手羽先のように、骨の結合部を噛み砕き、肉をツルリと剥がすように食べる。食べ慣れると、フォークとナイフでもいけるもんですね。

 

メニューをみると、チョリソーやムール貝が400円、ほうれん草のソテーが200円。すべて税込だから、こんどは、デカンタ&つまみ二品でも楽しめそうだな。

 

長っ尻しないのがちょい飲みのポリシー。チキンを食べ終え、ビールを飲み干し、グラスの水でアルコールを薄める。まだまだ元気な中学生の団体を残して、店を出る。

 

ごちそうさまでした。

 

いつかせんべろで夕食を(その 9)牛皿 with お新香 in 松屋

 

土山しげる先生の名作「野武士のグルメ」に、定年過ぎの紳士が牛皿と玉子で冷酒をキメるという話がある。精緻な絵柄も相まって、実においしそうでうらやましい。

 

マンガの舞台は吉野家ですが、個人的に冷酒は苦手なので、こだわりもなく近所の松屋へ。店前の券売機とにらめっこして、牛皿、お新香、缶ビールでしめて760円。

 

牛皿にあと100円も足せば牛めしになるけど、あくまでオヤツ。満腹になるのはノーサンキュー。牛めしのアタマで飲んで、〆に白米は魅力的だけど、また、今度な。

 

幸い、客は私だけ。王道の食事を頼む客ではないので、ホッとする。混んできたら、すぐに出る覚悟です。ともあれ、ほどなく呼び出し。まあ、シンプルな注文だしね。

 

お新香は、白菜ですね。松屋は季節によってキャベツもあるのですが、私はサクサクした歯ざわりの白菜漬けのほうが好みなので、今日のちょい飲みは「勝ち飯」確定。

 

醤油をタラリとかけて、白菜の葉っぱを食べると、旨みと塩味が口に広がって、ビールを慌ててあける。広い口の生ビール缶は、喉にスルスル入っていきます。

 

本命の牛皿には、七味を振って、紅生姜を添える。ヒラヒラとした脂身の多い肉を頬張れば、芳醇な香りが鼻を抜け、米をかきこみたくなりますが、今日はビールです。

 

つゆだくにしたので、旨みをたっぷりとまとわせて、牛肉をじっくり味わう。口の中が甘みでしつこくなるけど、紅生姜やお新香でリセットしつつ、ちびちび食べる。

 

皆さんは初めて食べたドレッシングを覚えているだろうか? 最近はどの家庭にもドレッシングが常備されているし、あまりに幼いときで覚えていないかもしれません。

 

昭和生まれ平成育ちなので、実家にドレッシングはなく、生野菜は醤油をかけて食べるものでした。そんな私が上京して出会ったのが、松屋のフレンチドレッシング。

 

「私は確信した。生野菜を食べるのに、これだけ多種多様のドレッシングを必要とするのは、人間が生野菜を、本質的に好きではない証拠だと」。海原雄山の名言です。

 

しかしこのドレッシングならいくらでも生野菜が食べられる。松屋の牛定は私のソウルフードです。ちなみに今はなきアッシュドゥという小チェーンのもおいしかった。

 

孫の産湯にしたいくらい愛する松屋のフレンチドレッシングを前に、素通りして帰るわけにはいかない。邪道ながらお新香にかけて食べれば、大学時代が脳裏をよぎる。

 

上京して35年近く。腹は出る、背は縮む、髪の毛は真っ白。あの頃の未来がこんなだったんだな、としみじみしながら、

牛皿のつゆに浮かぶ紅生姜をつつく。

 

計算どおりツマミとビールを同時に食べ終え、改めて思う。「牛めし、卵、お新香、生ビールにして、牛肉でビールを飲んで、卵かけご飯でしめるのが理想だな」と。

 

千円でおさまるけど、でもそれでは、ちょい飲みではなく、立派な食事だな。インフレとはいえ、まだまだ牛丼チェーンは庶民の味方。幸せを胃に詰め込んで席を立つ。

 

ごちそうさまでした。

 

いつかせんべろで夕食を(その 8)マカロニサラダ&コリ!砂肝 in 日高屋

 

町中華のチェーンというと、餃子の王将が頭に浮かぶ。近所にないけど、高校〜大学にかけてお世話になった、いわば原体験なので思い入れも深い。天津麺、大好き。

 

ほかには、ファミレスのバーミヤン、オリジン系のれんげ食堂、勢力拡大中の大阪王将、新興の松軒、知る人ぞ知る満洲などがあり、まさに群雄割拠、戦国時代です。

 

そして、日高屋。社名はハイデイ日高。創業者の出身地、埼玉県日高市から、日=デイ、高=ハイで、ハイデイ日高。満洲とともに、埼玉発の町中華で奮闘しています。

 

日高屋のマイベストは「野菜たっぷりタンメン」ですが、本日はちょい飲みなので、じっくりとメニューを観察。生ビールは確定として、おつまみをどうしたものか。

 

餃子やチャーシューなどの定番は想像がつく。むろん、おいしい。しかし五十男の冒険心が変化球を求める。さんざん悩んで、コリ旨!砂肝、マカロニサラダを選ぶ。

 

注文すると、すぐにビールとマカロニサラダがやってくる。マカロニを食べるときは、ついついマカロニの穴に箸を通してしまう。子どもみたいでも、やめられない。

 

そもそも、マカロニサラダという名づけはどこから来たんだろう。スパサラもそうだけど、ほとんど炭水化物、まにまに野菜なのに、堂々とサラダを名乗っているのだ。

 

「野菜を食べてるかい?」 若い頃、母親に聞かれたとき「うん(マカロニサラダを)」と答えてたなぁ。結果的に嘘つきになっていたんだな、ごめんよ母さん(合掌)。

 

そのあたり、義務教育で教えておいて欲しかったな。ともあれ、マカロニにはソースをたっぷりかけたいけど、いかんせん日高屋には見当たらないので、胡椒をまぶす。

 

ビールを舐めていると、砂肝さんの到着。ニンニク風味でコリコリ、サクサクの歯ごたえがタマランチ会長。卓上の七味を振ってみれば、ビールが進むことこの上ない。

 

知ってます? 砂肝はレバーではなく胃なんです。鶏は歯がないので小石や砂を胃に飲み込んで食べ物を砕きます。発達した筋肉だから、コリコリした歯ごたえだとか。

 

これでしめて850円、控えめにいってサイコーです。すでに日は傾いており、ハイデイとは言いがたいのですが、私の気持ちはハイでい! お後がよろしいようで。

 

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 687)自家製チャーハン with 崎陽軒のシウマイ

 

 

たまに神奈川に行くので、崎陽軒のシウマイをローリングストックしている。面白いことに神奈川に入ると、JR、私鉄、地下鉄関係なく崎陽軒の売店が出現するのだ。

 

シウマイに合うメニューはなんだろう。点心仲間の餃子はどちらかというとラーメンの相方だし、崎陽軒の弁当がそうであるように、シウマイには米飯が似合う、かな。

 

で、チャーハン。ネギ、レタス、鶏チャーシュー、玉子で彩りよく。ごま油とネギを熱して白米を炒め、塩コショウ、味覇を入れ、とき玉子を落としてよく炒める。

 

およそ炒まったところで、鶏とレタスに熱を通し、仕上げにフライパンの縁に醤油を回しかけて香りをたてる。うん、我ながら上出来のしっとりチャーハンですね。

 

付け合わせに雪平鍋で煮込んだベーコンと白菜のコンソメスープ、出来合いの春雨サラダを添えれば完成です。味見をしながら晩酌しているので、すでにゴキゲンです。

 

まずはシウマイをパクリ。からしや醤油がなくても、たとえ冷めていてもおいしいのが崎陽軒クオリティ。肉の香りが鼻を抜ける間に、チャーハンをかき込めば幸せだ。

 

サラダで口をサッパリさせ、スープで胃を温める。この組み合わせ、悪くないな。いや、むしろ相性がバツグンだな。ビールのアテにもなるし、自画自賛の食卓です。

 

ただ、チャーハン、シウマイ、スープすべてに肉が入っていると家族に指摘される。たしかに。まあ、たまの男子の厨房だし、ヤンチャでご勘弁していただきたい。

 

最後に、残しておいたシウマイに、からしと醤油をたっぷりとつけて、パクリ。これまた残しておいたビールで流し込めば、口福です。崎陽軒に足を向けて寝られない。

 

ごちそうさまでした。

 

いつかせんべろで夕食を(その 7)焼き餃子 in 横浜餃子軒

 

インターネットによる情報収集は、こちらのを反映したアルゴリズムが使われているので、必要にして十分なニュースが入ってくるけど、意外性の出会いはない。

 

だから、というか、それゆえに街歩きはやめられない。たとえ近場の商店街だろうと、ヒトの細胞がそうであるように、店は常に入れ替わり、それを楽しむしかない。

 

わが家は駅から遠い。その代わり、徒歩30分圏内に駅が6つある。つまり、なじみの商店街も6つある。徒歩30分は不便なようで、万歩計にはありがたい距離。

 

そんなナワバリを回遊していると、横浜餃子軒という店をみかける。こんな店あったかな? 店先のポスターによれば、こだわり酒場のレモンサワーが終日100円だ!

 

客寄せだろうと、これは嬉しい。焼き餃子が390円だから、あわせて500円ちょいじゃないか。散歩の途中に何か食べたくなって、池波正太郎先生の気持ちがわかる。

 

店の隅のカウンターに座り、サワーと餃子を注文する。安客だから気がひけるけど、お客さんはまだ誰もいないから、少しくつろげる。ほどなく、サワーの到着です。

 

 

 

ロゴ入りの金属のカップには、氷がたっぷり。まあ、100円に文句は言わない。ゴクリと飲めば、キンキンに冷えていて、初夏のようなこの陽気にはありがたい涼気。

 

追ってやってきた餃子は小ぶりだけど、オヤツだからちょうどいい。初めての店なので、何もつけずそのままガブリ。アッツいけど、皮がもっちりサクサクで心地よい。

 

餡のキャベツもシャキッとしていて、バランスのよい餃子です。小皿に酢コショウをつくり、かじった断面にたっぷり二度漬けして、サワーで流し込みつつ食べる。

 

うまいぞぉ。タレに醤油を足すと、かえって野菜の甘さが引き立ち、これまた旨し。卓上にあるオススメの味噌タレは、酸味、ピリ辛、深み。すべてが餃子向けです。

 

おいしく食べ終え、店を出てもお日様がまだ高いのが嬉しい。昼酒、というか夕酒は酔いの回るのが早いな。こんどは、ガッツリと食べにきたい、そんな店でした。

 

ごちそうさまでした。