今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 665)自家製・キムチチャーハン

 

チャーハンはおいしい。具材は豪華なら嬉しいけど、玉子とネギだけでも十分です。パラパラもしっとりもいずれも好きだし、なんなら変化球スープチャーハンもよい。

 

ざっかけない町中華でスープとともに食べるのが至高だけど、最近は冷凍ものも侮れない。ごはん茶碗1膳分の少量が食べられるので、唐揚げとともに常備している。

 

シンプルさゆえに自分でつくろうと思うと難しい。そもそもコンロの火力が店とはダンチだし、玉子を入れるタイミング、白米の炊き具合、味つけなど、再現は難しい。

 

天下一品などにある自動チャーハン作製機に憧れるけど、さすがにそこまでの情熱はない。それでもたまに「家族とともにたらふくチャーハンを食べたい」熱が訪れる。

 

で、キムチチャーハン。ごはんがススムくんを細かく刻み、同じく刻んだ豚コマとともに炒める。火が通ったところで3人前で1合半、やや硬めに炊いた白米を入れる。

 

テレビのような、中華鍋をふって直火にあてるという工程はない。テフロン加工を信じ、ひたすら米を混ぜ返す。塩コショウ、味の素、最後に醤油をひと回しで完成。

 

町中華っぽさを出すために、ラーメンのタレを倍量で希釈したスープに、ネギを浮かべて添える。おお、それなりに、それっぽい。スプーンを差し込んで、バクリと。

 

ごはんがススムくんは比較的甘口なので、味がわかりやすい。発酵した白菜の酸味と豚コマの旨み、醤油の香りがシンプルにおいしい。スープも予想通りに合います。

 

よそ様には出せないけど、家庭料理としては十分です。そもそも原料がおいしいものばかりだから、余計なことをしなければいいのだ。チャーハン欲が満たされました。

 

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 664)濃味コーヒーとホワイトソースのナンピザ

 

ゆっくりと本でも探そうと大型書店へ向かうも、あいにく開店前。20分ぶらぶら待てばいいのだけれど、せっかくなら朝食でもとろうと思い直す。さて、どうするか。

 

すき家もいいけどくつろげないし、たまには趣きを変えて喫茶店にしよう。幸いに良さげな店をみつけ、初めての店に緊張しながら席につく。適度な暗さが落ち着くな。

 

モーニングメニューが多彩なだけに、悩みも深い。持ち帰りもできるパンケーキはおいしそうだけど、オジサンは塩っぱいものが食べたい。おや、お茶漬けもあるのか。

 

トースト、お茶漬け、スクランブルエッグなど目移りしちゃう。カロリー、塩分、糖質など考慮すべきことは多岐にわたり、落とし所として、目新しいナンピザを選ぶ。

 

ドリンクも濃味コーヒーとやらに決めて、注文を終えてようやく人心地つく。店内を見渡すと、おっ、スポーツ新聞があるね!ずいぶん、久しぶりだけど読んでみよう。

 

就職活動をスポーツ新聞で乗り切った私としては、紙の手触りがしっくりくる。少し汚れているのも味のうち。ネットと違うのは、大見出しや表といったところかな。

 

やはり競馬の馬柱は紙がみやすい。武豊はまだ頑張ってるね。平成前期に羽生善治やカズとともに新世代の旗手って感じで登場したな。そのあとイチロー桜井和寿か。

 

斜め読みするうちに「濃味コーヒー」がやってくる。どうやら「こくみ」コーヒーらしい。「こいあじ」って頼んだけど、お兄さんに気遣いをもらっていたようですね。

 

ひと口飲むと、確かに濃ゆい。エスプレッソ的な濃さではなく、豆のロースト感がガツンとくる感じ。まあ、コーヒーのことはよく知らんけど。雰囲気こみでおいしい。

 

買わない馬券の予想をするうちに、ナンピザがやってくる。インド料理とも!イタリアンともいえない、でも和食ですらないホワイトソースのナンビザ、不思議な気分。

 

ベジファーストでサラダを食べるうち、ホワイトソースのやさしい香りに包まれる。端から少し千切って食べれば、生地が思ったよりサクサクとしていて、香ばしい。

 

ホワイトソースの滋味に、ミニトマトの酸味、しめじの香り、鶏の舌ざわりなど楽しい味わい。ジャパニーズ喫茶ならではの無国籍料理を、コーヒーとともに堪能する。

 

時計をみればすでに書店が開いている。ゆっくりすればいいんだけど、食べ終えたら腰が落ち着かない。つくづく喫茶店向きではない損な性分だけど、さて街へ出よう。

 

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 663)紅鮭の塩焼定食

 

焼き鮭ときくと、塩っ辛くて、端っこを少しつまんだだけで、ごはんを何口かかきこめるイメージである。保存を目的とした塩漬けが味付けも兼ねた、合理的なおかず。

 

幼少の頃は鮭としか思ってなかったけど、白鮭、銀鮭、紅鮭、アトランティックサーモン、キングサーモン、サーモントラウトなど種類も多く、知らずに食べている。

 

ざっくりいうと、白鮭は国産の天然ものが多く、銀鮭は国内外の養殖もの、紅鮭は海外の天然ものが多いらしい。サーモン系は淡水魚で輸入ものが多く、生食できる。

 

何回か調べたけど、すぐに忘れてしまう。たぶん、むかしわが家にお歳暮できたのは白鮭の塩鮭だったんだな。思い出すだけでツバが出てくるほど塩っぱかったな。

 

さて、本日は紅鮭。アラスカ、カナダあたりの北太平洋産が多いらしい。白米、味噌汁、焼き魚といったザ・和食でも、輸入に頼らねば成り立たず、円安が心配です。

 

味噌汁で箸を湿らせたのち、中央に鎮座するワカメをザクザクと喰む。酸っぱくて、間違いなくカラダによさそう。咀嚼しつつ徐に鮭に箸をのばして、端っこをむしる。

 

改めてみれば、記憶にある塩鮭よりかなり赤い。鮭はもともと白身魚だけど、食べているエビで赤くなるときいたけど、よほどいいもの食べてるんだな、と納得する。

 

口に入れると程よい塩っけで、ごはんがおいしい。健康志向か、流通の発達か、昔のような強烈な鮭はみかけなくなったけど、真っ当なオカズとしてはこれで十分である。

 

鮭、米、鮭、米、たまに味噌汁。リズムよく食べていき、鮭皮の旨みも堪能する。ひと口残したごはんをお新香でいただき、少しぬるくなったほうじ茶を飲み干す。

 

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 662)クワトロセット in ライク

 

ひとり◯◯がどこまで可能か。人それぞれ限界は違うだろうけど、オジサンは基本ひとりぼっちです。コロナ禍、核家族化、飲み会離れなど、原因はいろいろだけどね。

 

映画、ラーメン店あたりは余裕で、なんなら動物園もいける。居酒屋も大丈夫だけど焼肉屋はあまり気が進まない。団体席を1人で埋めることに、後ろ髪ひかれるのだ。

 

肉が食べたいときステーキやトンカツを選ぶけど、やはり焼肉が食べたい日もある。週末まで待っても家族でいけるとは限らないし、ひとり客の専門店はありがたい。

 

たまたま新宿でみかけたこちら、調べると全国チェーンらしい。なるほど、世の中には知らないことがまだまだたくさんあるなぁ。ともあれ、幸いに待ち時間なく入店。

 

気が早いけど、手渡された紙エプロンを身につけて、タブレットでメニューを選ぶ。定食の一番目立つ位置にクワトロセットが。4種盛り、試さねばなるまい。

 

私の世代だと、クワトロと聞いて思い出すのは、Ζガンダムのグラサンです。キャスバルからエドワウ、シャアと名を変え、身を隠し、4番目の名前だからクワトロ。

 

50にもなって、イタリア語の数詞はウノとクワトロしか知らないのは恥ずかしいですが仕方ない。注文を終えたのち、2つのボタン同時押しでロースターに火を点す。

 

壁を見ると、タレの種類が豊富です。にんにく、旨辛、レモン、焦がし味噌、淡麗醤油、生醤油。それにふりかけまであるのね。水をチビチビ飲んでいると呼び出しです。

 

 

タレ入れは2つ。タンのレモンは確定なので、実質1つか。とりあえずふりかけをかけ、スープのフタをあける。箸を湿らせてキムチを食べるとごはんが欲しくなる。

 

思いのほか辛いキムチにごはんがすすむ。大盛りにしておけばよかったかな、などと思う。唯一の野菜である玉ねぎを焼き網に乗せて温度をみれば、どうやら焼きごろ。

 

 

まずは何はなくとも、タン。いきなりカルビという人もいるのだろうけど、味の薄いほうから濃いほうへと食べてゆく。寿司屋にも似た組み立てを律儀に守ります。

 

レモン汁をまぶして食べれば、脂ものっていて、間違いないおいしさ。お隣さんは昼からビールセットを頼んでおり、うらやましくて仕方ないが、こちらは白米がお供。

 

カルビ、ハラミ、バラカルビ。悩んだ末に選んだ生醤油タレをつけて食べてゆく。オカズヂカラは抜群ですが、しつこいようだけどやはりビールのほうが似合うかな。

 

ものは試しに、レモン汁のほうに焦がし味噌タレを入れる。もともと肉についたタレと、レモン汁とも入り混じって本来の味ではないだろうけど、これまたおいしい。

 

仕舞いには肉3切れ、キムチ少々にごはんひと口というアンバランスな状態。食事の組み立てとしては負け戦さだけど、大盛りにするわけにはいかない。これが若さか。

 

すっかりゴキゲンで席を立とうとしてスープを残していることに気づく。まだだ、まだ終わらんよ。クワトロ大尉のように心中発声しつつ、おいしく最後まで飲み干す。

 

ごちそうさまでした。

 

 

麺喰らう(その 1004)煮干そば ver.2

 

人気ラーメン店に空き席をみつけ、久しぶりにノレンをくぐる。券売機をながめると煮干そばver.2を発見。なにやら進化したものなのか、興味をそそられて発券する。

 

プレイバックPart 2、あるいはモヤモヤさまぁ〜ず2のように「1」がない類いかもしれない。念のためブログを調べると、3年半ほど前にver.1をきっちり食べている。

 

https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2020/11/27/070500

 

男子、三日会わざれば刮目してみよ。人気店の3年半ならばいかなる進化を遂げるのか。ピカチュウライチュウに、ムチュールルージュラに進化するような変化か。

 

楽しみに待つことしばし、やってきました煮干そば。チャーシューが2種になり、削ぎ切りの長ねぎではなく、刻み玉ねぎが目立つ。あと、生のりが増えてるのかな。

 

レンゲでスープを飲めば、ガツンと濃厚で少しくさみが鼻に抜ける。たっぷりの玉ねぎはスープに沈めて、細ストレート麺をすすれば、おいしさの答え合わせですね。

 

卓上にはいろいろ調味料があるけど、つけそば、中華そば、鶏白湯など用途が書いてある。限定の煮干そば用がないので、昆布酢をかけてみれば、これがピッタンコ。

 

酸味が加わるのでさっぱりと飲みやすく、わずかに感じたくさみもなくなりました。鶏チャーシューは驚くほどやわらかで、豚チャーシューは心地よい歯ごたえです。

 

生のり、カイワレは濃厚なスープに負けない働き。食べるうち、スープの間に間に玉ねぎが浮かんでくる。いい大人ですがあえて言おう、生玉ねぎは苦手である、と。

 

シャクシャク食感はともあれ、アリシンの刺激、独特の辛みがスープを上回り、箸が進まない。フードロスは嫌だけど、「玉ねぎ抜きで」という勇気もないのですね。

 

今回は玉ねぎが入っていると知らなかったので避けようもない。以前八王子ラーメンを食べたときも、生玉ねぎは少し煮えていたけど、なんとなく箸が進まないのです。

 

ともあれ、大部分の煮干そばはおいしく、個人の好みで評価してはいけない。今どきのおしゃれラーメン店との相性はさておき、ver.3になるころ、三たび食べにこよう。

 

ごちそうさまでした。

 

麺喰らう(その 1003)かき揚げうどん

 

 

食券を買って、カウンターのおかあさんに提出しつつ「うどんで」と伝える。シンプルな立ち食いの流儀ですが「そばですか、うどんですか」と確認されてうろたえる。

 

マスク越しだからわかりにくかったか、あるいはラーメン二郎のように店員さんに伝えるべきタイミングがあるのか。いずれにせよ「うどんで」と再び伝え、水を汲む。

 

そういえば、コンビニでも「袋お願いします」と最初に伝えるのに、けっきょく最後に袋を確認される。つまり店員さんのタイミングで言わないと、伝わらないんだな。

 

ズレた間のワルさも、それも君の「タイミング」♩ そう思うしかない。最初に言ったでしょう、と主張しても水掛け論だし、何よりせっかくのうどんがまずくなる。

 

さて、かき揚げうどん、讃岐や大阪とは異なる、茶色いツユ。ひと口すすれば、主張のないなめらかな喉越しで、ツユも甘め濃いめの関東風。これはこれで、おいしい。

 

かき揚げはゴリゴリした食感で、玉ねぎ、にんじんのほかインゲンが入っているのが珍しい。唇を油で濡らしつつ、ボリボリ食べゆけば、やがてツユを吸ってくったり。

 

ほどけたかき揚げがツユに浮かび、うどんとともにかき込むように食べるうち、店員さんがワンオペであることに気づく。なるほど、接客と調理で大変だったのかな。

 

ズルズルと食べ終え、匙で甘いツユを2、3口堪能する。後客がつかえているので、急いで水を飲み干し、下膳すれば「ありがとうございます」の気持ちよい挨拶が。

 

こちらこそ、ごちそうさまでした!

 

麺喰らう(その 1002)春菊天そば

 

 

春菊の旬が終わろうとしている。ハウス栽培で通年出荷されているけど、やはり野菜は旬に食べるのが嬉しい。立ち食いそばのメニュー、小銭と相談して春菊天を注文。

 

春菊天にはかき揚げタイプと姿揚げタイプがあるけど、こちらの店はどっちだったかな。覚えていないけど、そのほうがワクワクしますね。ほどなく出来上がりです。

 

どうやら、ざく切りのかき揚げタイプで、衣はしっとり系ですね。箸で持ち上げ、熱いツユを吸ったところをガブリといけば、とろとろの衣とほろ苦の春菊がたまらん。

 

湯気でカメラが曇るほどの熱いツユ、ズルズルとそばをすするとカラダが温まってきます。七味をふってさらにすすれば、ほどけたかき揚げが口に飛び込んできます。

 

これで500円。コスパとかタイパとかで価値を計算するのは苦手ですが、間違いなくこれはお値打ち。ゆったりとした店内の時間込みで、シアワセなひとときに感謝。

 

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 661)天然うにいくら丼 in なか卯

 

当たり前だけど、どんな食べ物にも「初めて食べた瞬間」がある。たいがいは記憶に残るものではないが、長じて食べたものはドラマティックに覚えていることがある。

 

たとえば、冷麺は盛岡の焼肉屋、シャコは宮城の民宿、マタタビは新潟の農村。旅の記憶と結びつけられることが多いけど、うにはそうではない。家族の外食だった。

 

平成初期、愛知県の内陸、山あいのニュータウンの麓。今ならコールドチェーンが発達しているけど、当時は望むべくもない。そこで出会ったファーストバイトがうに。

 

こわごわつまむとくさみがあって、高校生の味覚を差し引いても好印象ではなく、値段に釣り合わないと思った。まあ、恋ってそんなスタートのほうが燃えるわけで。

 

大学生の頃、ダビスタナリタブライアンの影響もあり、空前の競馬ブームだった。そんななか、ビッグコミックスピリッツの「ポコあポコ」という競馬漫画に出会う。

 

ジャンプのマキバオーほどではないけど、ユーモラスに擬人化されたサラブレッドが描かれており、主人公のスピードハナジロー号が好きなのが「うに」だったのだ。

 

サラブレッドなのに、思わず「うに」と発音してしまう。あれ、うに、そんなにおいしかったっけ。と訝しがっていたけど、北海道旅行で食べたうにに度肝を抜かれた。

 

お安めの食べ放題なので、うにの注文は2貫まで。食べた瞬間に舌の上でとろけ、鼻腔をくすぐる海の香り。あれ、うに、おいしいな。地産地消だと、こうも違うのか。

 

令和の今では居酒屋で箱入りのうにが食べられるし、ちょっといい鮮魚店なら殻付きうにも手に入る。長生きするもんだと感謝しつつ、なか卯のうにいくら丼に臨む。

 

前口上が長くなりましたが、まずは醤油をかける前にそのまま舌に乗せる。微かなくさみは味のうち、甘く淡雪のようにとけ、そして少し苦い。まるで恋そのものです。

 

まあ、そんな素敵な恋の思い出はないけどね。胃にエンジンをかけた後は、わさび醤油を回しかけ、匙でがぶがぶ食べてゆく。淡白な白米がうにの旨みを受け止めます。

 

これが初めての出会いだと、うにへのハードルが上がっただろうと、しみじみ思う。たまに口に入る、いくらの塩っけがアクセントとなっていくらでも食べられそう。

 

小ライスにしたので、うにといくらが余り気味のまま食べ終える。なんたるシアワセか。食後に冷たい緑茶をグイッと飲み、プリン体におびえつつ、余韻を消し去る。

 

ごちそうさまでした。

 

麺喰らう(その 1001)どん兵衛 スンドゥブチゲうどん

 

ハングル文字を街でよくみかけるようになった。電車や地図など、旅行者の便に資する場所が中心で、英語、中国語とともにわが国と近しい国がよくわかる環境である。

 

英語は大学まで手習いしたし、中国語は漢字だからなんとなく想像がつくけど、表音文字のハングルはさっぱり見当がつかず、法則はあろうけどちっとも覚えられない。

 

それでも町は廻っている」という漫画で宇宙人同士の会話シーンがある。書き文字なので何もわからないけど、わずかな会話で母音と子音を読み解く強者がいたという。

 

見たことのない文字を読み解くのは、確実に才能ですよね。ロゼッタストーンの解読とか、ナメック語の翻訳とか、そういった方面に力を発揮してほしいものである。

 

순두부찌개

 

でも、凡夫にとって便利な世の中、スマホで検索すれば翻訳が表示されるのです。ちなみに上の文字列は「スンドゥブチゲ」であり、日本語に直訳すると豆腐鍋である。

 

さて、どん兵衛スンドゥブチゲうどん。湯豆腐っぽい響きのとおり、かやくは豆腐のみの潔さ。お湯を入れて5分待ち、後入れスープを入れてみると、想像の3倍赤い。

 

 

よく混ぜて粉を溶かすと、予想通り目にしみる。これは辛いやつだと、箸をひと舐めすれば、予想を上回る辛み。朝ごはんとしては刺激が強すぎるかもしれないと後悔。

 

勝手知ったる麺をすすれば、いつものどん兵衛クオリティなのに唇はピリピリ痛い。確かにコチュジャンの辛みはきくけど、あさりダシの旨みが絶妙なバランサーです。

 

スンドゥブはわが国でいうと「汲み出し豆腐」のようなやわらかなものをさすらしいけど、具材の豆腐はけっこう堅牢です。舌で押し潰しながら、ズルズルと食べる。

 

カレーライスでは途中で水を飲むと負けた気がするけど、こちらは途中で水を飲まないと胃が怒り出しそう。冷たい水で辛みを薄め、デコ汗を噴き出しつつ、完食です。

 

잘먹었습니다

ごちそうさまでした。

 

定食春秋(その 660)ぶり刺身定食

 

お刺身は、新鮮であればあるほどおいしい気がする。角の立つような刺身にわさびをのせて、醤油をちょっとつけて食べる。噛めば鼻腔に抜ける魚の旨みがたまらない。

 

学生のころ、宴会というと居酒屋のコース料理で、冬なら鍋、夏なら刺身盛りがメインだった。ところが、若さゆえ魚のありがたみがわからず、あまり手がつかない。

 

弾む言葉、盛り上がる宴会、少しずつ干からびるお刺身。真っ先にテーブルから消え去る揚げ物に比べて、あまりにもぞんざいな扱いの刺身たち。申し訳なかったな。

 

学生向けの格安コースだし、冷凍ものだったろう。でも今なら真っ先に手をつけて、なんなら大根のツマまで食べるのにな。歳をとらないとわからないことがあるな。

 

そんな思い出とともに、新鮮なぶりの刺身を頬張る。あまい脂が舌でとろけ、肉厚な身には歯がすうっと通る。醤油の塩っけとわさびの清洌な辛みがぶりを盛り立てる。

 

米、米っ。あわててごはんをかきこみ、ゆっくり咀嚼したのち、味噌汁で流し込む。ダシとあおさの香りが重畳して、思わずにっこり。大根のツマもおいしくいただく。

 

そういえば北陸地方では、タイやヒラメなどの刺身を昆布ではさむ昆布締めがありますね。少し糸をひき、歯ごたえもねっとりとして、熟成された旨みが味わえます。

 

でも、干物や酢締めと一緒で日持ちを考えての技法だから、新鮮さを追求する刺身とは方向性が違います。刺身はオカズヂカラが弱いともきくけど、んなこたぁない。

 

5切れのぶりと、小鉢、香の物で、はかったようにごはんを食べ終える。あらためて思うのは、新鮮な刺身のおいしさと、職人さんの技術、流通の進歩への感謝、感謝。

 

ごちそうさまでした。