今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

定食春秋(その 571)牛すき丼・小 in なか卯

牛肉・オレンジの輸入自由化は1991年である。それまで牛肉は、ハレの日のお高い料理であり、年に何度かすき焼きで食べるくらいだった。で、翌朝は牛丼を食べた。 わが家のすき焼きは、タレで煮込んだ関東風で、甘い味つけに生玉子をつけるのが嬉しかった。具…

麺喰らう(その 925)ジャージャーそば

岩手は麺どころである。盛岡冷麺、じゃじゃ麺、わんこそば。方向性の異なるラインナップは壮観である。やたら面積が広い県なので多様な文化があるのは理解できる。 これに伍するのは、愛知かな。スガキヤ、台割ラーメン、きしめん、あんかけスパ、豊橋カレー…

定食春秋(その 570)炒飯&焼売

ラーメンのお供が餃子なら、炒飯のお供は焼売ではなかろうか。餃子の香ばしさはラーメンスープにふさわしく、焼売の程よくまとまった肉感はチャーハンに似合う。 実をいえば、単にラーメン屋に餃子があっても焼売がないからかもしれない。せいろ蒸しという調…

定食春秋(その 569)能登産アジフライ定食

旧国名にはやはり重みがある。大日本帝国海軍において戦艦名にされるなど、風格が感じられる。現代でも、これぞという名物には旧国名を冠にいただくものが多い。 飛騨牛、近江牛などブランド牛もあれば、ブランド米の横綱コシヒカリだって「越の国」から名づ…

麺喰らう(その 924)ホームラン軒

即席ラーメンの生みの親、安藤百福の生涯は興味深い。インスタント麺の発明にあたり、日持ちのために水分をどう取り除くか工夫して、揚げ麺にたどり着いたわけである。 当時は栄養をつけられるように、との意図もあって問題なかったが、やはり揚げ油による油…

定食春秋(その 568)牛丼・小盛 with 冷汁 in 吉野家

牛丼一筋だった吉野家も、BSE問題以降時代の趨勢には逆らえず、丼ぶりや定食の種類を増やし、各種サイドメニューを充実させた。しかし、牛丼の味は変わらない。 レシピは少し変わっているのかもしれないけど、変わらずおいしいのが素晴らしい。吉野家で牛丼…

定食春秋(その 567)ビビンバ&サムギョプサル in 韓美膳(ハンビジェ)

中華料理はよく食べるけど、そういえば韓国料理はあまり食べない。真っ先に浮かぶ焼肉も日本人好みの牛中心にカスタマイズされている。なんでだろうと考えてみる。 確かに中華と言いつつ、日本食に染まった和風中華を食べているのは否めない。それでいえば、…

定食春秋(その 566)生マグロとイカの紅白丼

紅白歌合戦。物心つく前からあるので、なんの疑問ももたなかったけど、男性=白、女性=赤というパブリックイメージの強制定着に関与しているのは間違いない。 もともと紅白の対峙は、源平合戦にさかのぼるらしい。赤が平家で、白が源氏。赤が負けるのが前提…

麺喰らう(その 923)白丸元味 with 博多一口餃子ハーフ in 一風堂

博多ラーメンというと、白濁した濃厚豚骨スープに、時にバリカタの細ストレート麺が泳ぎ、紅生姜、高菜、キクラゲなど他地域とは一線を画したトッピングが彩る。 ふと思い出すと脳裏を離れず、いざ食べようと思うと通勤動線に店が少ない。同じ豚骨でも、横浜…

麺喰らう(その 922)特製鶏そば

醤油ラーメンといってもスープのダシや醤油の銘柄により千差万別である。いわゆる夜鳴きラーメンを思い浮かべるのは郷愁にすぎず、これというスタンダードはない。 鶏がらスープの、昔ながらの東京醤油ラーメンは刺激の強い創作系に飲み込まれ、むしろ希少価…

麺喰らう(その 921)証城寺そば

通勤途中、胃がもやもやするので、そばでもすすって鎮撫しようと試みる。ワンオペの立ち食いそばを訪ねると、万札払いの対応で列ができている。あらら、大変だ。 小銭払いが理想だけど、いざ財布をみたら高額紙幣しかないうらやましい人生もあるだろうな。な…

麺喰らう(その 920)天津麺

天津飯はいわゆる和式中華料理であり、天津に天津飯はない。天津でよく獲れたワタリガニでカニ玉でをつくり、丼ぶり飯にのせたから天津飯となったとか。へええ。 40代のオジサンならば、天津飯といえばドラゴンボールの登場人物。天さんと呼ばれることから、…

麺喰らう(その 919)レタスカレーうどん

「マスコミが数を持ち出してきたら割合をみる。割合を出してきたら母数をみる」そんな記事を読んだ。印象操作に騙されてはいけない、リテラシーの話なのだろう。 まあ、わかる気がする。数字という絶対値を扱うグラフすら、目盛りの切り取りで印象操作できる…

定食春秋(その 565)厚切りトンカツ定食

「厚切り」というと、トースト、牛タン、ベーコンなどが頭に浮かぶ。普段より少しだけ幸せを味わえるイメージで、プチ贅沢だけれども、決して下品でない程度かな。 あとは、厚切りジェイソン。ホワイジャパニーズピーポー?で知られますが、パックンマックン…

麺喰らう(その 918)冷やしたぬきそば

冷やしそばのツユは、店ごとの個性が色濃く出る。ざるそばのつけ汁タイプ、冷やし中華のような酸味のあるタイプ、ゴクゴク飲めるソーメンツユのような薄口タイプ。 温そばと比べて冷たいぶん、香りは引っこむけど、舌の上でじっくり味わえる。ワサビが添えら…

定食春秋(その 564)サバの文化干し焼定食

「文化干し」ってなんだ。そもそも、あまり干物を食べないのだけど、干物界隈では常識なのだろうか。50年生きてなお、知らないことがあふれる世の中に驚く。 調べると、天日干しではなく、冷温風機を用いて乾燥させる手法を文化干しというらしい。文化住宅な…

定食春秋(その 563)ソーセージエッグ定食 in 松屋

松屋の回し者ではないけど、松屋のフレンチドレッシングが大好きである。上京して生まれて初めて食べたドレッシングというものが、国立駅前の松屋だったからだ。 はっきりいえば刷り込み効果だけど、市販の物をいろいろ試しても、どれも一滴の松屋にも如かな…

麺喰らう(その 917)かけうどん(ひやなみ)

日本酒の温度管理は難しい。お燗をつけてこそ華やぐ香りを楽しめる銘柄もあれば、常温でゆっくりと味わうもの、冷やして料理と楽しむものなど、千差万別である。 温度が上がると、分子の動きが活発になって味が前に出てくるのだろうか。しかし、キリリと冷や…

麺喰らう(その 916)冷たい鳥中華 in 高幡そば

山形のラーメン消費量は日本一らしい。一人当たりだろうけど、円なのか、キロなのか委細がわからないので推定形ながら、わが国有数のラーメンどころらしいのだ。 もともと飲食店は、環七ラーメン戦争のように、集中して分布することで名物化が加速する。ご当…

定食春秋(その 562)こだわり卵朝食 in なか卯

朝食界隈は、白米派、トースト派の二大派閥が争う。シリアル派、麺類派などはやはり少数派で、イチローによりにわかに注目されたカレー派もここ最近は分が悪い。 「朝食は食べない派」もかなりの勢力で、飲食店が朝の胃袋を奪い合う構図は複雑である。私自身…

麺喰らう(その 915)力うどん

気は優しくて力持ち、というとドカベン山田太郎である。アニメの再放送でみているので、ドンピシャ世代というわけでもないけど、ともあれ、ドカベンのイメージ。 しかし、このフレーズはもともと、童謡・桃太郎からきているらしい。すぐに思い浮かぶのは「♩…

定食春秋(その 561)沖縄風幕の内弁当

沖縄と幕の内弁当。地名と名詞のすれ違いが否めず、にわかに脳内で結びつかない。まあ、オアフ島出身の大関も最初は違和感があったけど、じきに慣れたわけですが。 大関といえば、モンゴルやグルジアも耳慣れたし、同じ国内なのだから沖縄と幕の内ならば相性…

定食春秋(その 560)アジフライとクリームコロッケ定食

先日、ハンバーグと海老フライのセットを洋食界のB'zと名づけた。スタァの競演、華やかな組み合わせは延々と食べていられる。いわば味のGood Communication。 本日はアジフライとクリームコロッケのセット。いずれもスタァではあるが、好みはあるけど大衆性…

麺喰らう(その 914)太肉担々麺

人間だもの、思考のクセがある。いつも同じ漢字を書き間違うとか、1本手前の道を曲がってしまうとか、知らぬ間に築いてた自分らしさの檻の中でもがくのである。 本日のお昼は何度も通った担々麺専門店。いつも豚肉の唐揚げ「排骨」をのせるか悩むのだけど、…

麺喰らう(その 913)桜エビかき揚げそば

通勤動線を重視している。交通トラブルでもなければ、いつもの時間、いつもの車両に乗って移動して、その日のお腹具合によって、いつもの店から選んで立ち寄る。 朝のルーチンはその日1日の調子に関わる気がして、わざわざ崩すことはない。よさそうな店の情…

麺喰らう(その 912)朝ラーメン in 梅もと at 新宿

散歩にもスランプがある。近所の散歩はコロナ禍でやり尽くしたので、通勤定期の範囲でどこか歩こうと電車に乗ったものの、これというプランが浮かばず終点新宿。 新宿新都心も、外国人観光客がいっぱいと思うとあまり食指がのびず、地下の食堂街をさまよう。…

麺喰らう(その 911)きつねうどん・小 in なか卯

二日酔いで胃の調子が悪いときは、やさしいダシが飲みたい。カエシのきいた黒いそばツユではなく、黄金のダシが飲みたい。そこに泳ぐのはたおやかなうどんがいい。 讃岐うどんの強いコシは、胃の回復にはよろしくない。なるべく咀嚼せず、舌と口蓋だけで食べ…

定食春秋(その 559)デルタカレー

自分が店を開くとして、何屋さんにするだろうか。感情が顔にモロに出る自覚があるので、客商売向きではない私ですが、思考実験でそんなことを考えるときもある。 好みの本だけを置いたセレクトショップ、袋ラーメンを忠実につくる店、子どもに勉強机を用意す…

麺喰らう(その 910)冷やしむじなそば

梅雨前線が北上するころ、冷やし麺が町を賑わす。冷やし中華始めました、のフレーズは有名になったけど、冷やしそば・うどんは特に告知もなく始まっているのだ。 ここでいう冷やしは、いわゆるぶっかけであり、ざるそばなどつけ汁が冷たいものではない。町そ…

定食春秋(その 558)豚汁朝定食 with とろろ in 松屋

野菜を食べなさい、野菜を食べてるの、母親の声を思い出そうとすると野菜がからんでくる。昔はエグ味も強かったし、季節の野菜は限られていて、好きではなかった。 50歳近い今でこそ、たまに野菜を食べたくなる衝動に駆られるけど、基本的には主菜の付け合わ…