今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

思い出す

定食春秋(その 666)エビフライとクリームコロッケ定食

戦中生まれの母は、食べ物に火をよく通す人だった。焼肉はロースをカチカチになるまで焼き、ハンバーグはグツグツ煮込み、トンカツはひと口大のひれをこんがりと。 親にいうのもなんですが、親の仇のように生焼けを嫌っていた。なんなら、刺身もあまり食卓に…

麺喰らう(その 1006)むじなそば

でこぼこフレンズをご存じの方もおられるだろう。Eテレのおかあさんといっしょのミニアニメで、子どもが小さい頃はDVDを買い与えるほどお世話になったもんだ。 妖精なのか、妖怪なのか、愛らしいキャラがかわるがわる登場する。そのなかに「あなくま」がいた…

定食春秋(その 655)鉄板ハンバーグ本気盛り in ガスト

ガストというと、すかいらーくの廉価版、学生の財布にやさしいファミレス、といった思い出がある。事実、1992年の創業当時は、安くておいしいファミレスだった。 そんなわけで、グループ再編を経てすかいらーくグループの中核となった今でも、ガストに思い入…

麺喰らう(その 963)にしんそば

配膳には、ルールがある。ごはんが手前の左、汁物が右、奥の左から副菜、副々菜、主菜と置かれる。ローカルルールはあるけど、わが国の左上位の思想が表れている。 なんなら魚の頭も左に向けるほど、考え方は通底されている。しかし、麺類や丼ぶりものには明…

麺喰らう(その 962)カレー南蛮そば in 相州そば at 二俣川

しばらく足しげく横浜に通っていたけど、いろいろひと段落がついた。見慣れない朝ごはんも楽しかったな、最後はどれにしようかな、と考えながら横浜に向かう。 先日は相鉄横浜駅の星のうどんを食べたので、本日は相鉄二俣川駅の相州そばにしよう。新メニュー…

定食春秋(その 637)ひれかつ定食

毀誉褒貶あるけど、美味しんぼは名作である。バブルで浮かれたグルメに喝を入れつつ、豊かな食文化の素晴らしさを教えてくれた。残念なのは、思想に走ることかな。 そんな美味しんぼといえば「馬鹿どもに車を与えるな」「山岡さんの鮎はカスや」「しゃっきり…

麺喰らう(その 956)中華そば

いきなりだけど、いわゆる「お袋の味」に興味がない。やはりウエットな響きで、決して「ママンの味と違う」なんて思わない。外食の刺激こそ、食の幅を広げてくれた。 こんな言い方はなんだけど、母親の手料理は空気のようなもので、あって当たり前のように感…

定食春秋(その 634)マグロ・カンパチ丼

人間不思議なもので落ち込むことがあると食欲がなくなる。医食同源、当たり前かもしれないけど、食べても食べなくてもいいや、なんて心もちでは食材に失礼である。 お酒は比較的スウっと入るけど、栄養にならないし、肝臓によろしくない。インゼリーや一日満…

定食春秋(その 629)チーズバーガー

チーズが食卓でポピュラーになったのは、いつ頃だろう。昭和50年代の記憶では、6Pチーズやスライスチーズをたまに食べるくらいで、冷蔵庫に常備はなかった。 牛肉自由化の前後、マクドナルドがまだ高嶺の花で、いつかマックで誕生日パーティーをするのが夢だ…

定食春秋(その 622)国産鶏むねカツ定食

鶏料理で一番好きなのはささみの唐揚げである。子どもの頃、唐揚げといえばささみだった。少しパサついたささみが衣で包まれ、醤油を垂らすと非常においしかった。 両親が鶏を好きでなかったこともあるし、節約料理だったのかもしれない。しかし、刷り込みと…

麺喰らう(その 938)もち入りラーメン

昔ながらの醤油ラーメンといわれて、思い浮かべるものは人それぞれである。実家は外食をしない家なので、スーパーの生ラーメンこそが私にとっての思い出である。 鶏がらとポークエキスの入った醤油スープに、黄色いちぢれ麺が泳ぎ、具はゆで卵、ほうれん草、…

定食春秋(その 613)シャキシャキレタスサンド&グリーンスムージーONEDAY in ローソン

サンドイッチというと、遠足のときのお弁当を思い出す。耳を落とした薄切りの食パンに、いちごジャム、ハムきゅうり、たまごが挟まれ、色とりどりでおいしかった。 戦中生まれの母が何をみて作ったかはわからないけど、ツナマヨがまだない時代、カツサンドも…

定食春秋(その 604)源おにぎり(国産真さばの塩焼き&ツナマヨ) in オリジン弁当

食欲はあるのに食べるのが面倒くさい。食事という楽しみを放棄すると、当然人生が味気なくなるので、スランプの理由を考えてみると、すぐに思い当たる。塩だ、塩。 アラフィフともなるといろいろガタがきており、さまざまな検査を受けるわけで、医師に指摘さ…

麺喰らう(その 930)大ざる

「ざるそば、大盛りで」と頼むと、注文が「大ざる〜」と復唱される。まったくもって正しいけれど、大ざると聞くとサイヤ人をつい思い出す悲しきアラフィフ世代。 実際に「大ざる」と検索すると、普段の検索傾向のせいかベジータばかりが結果に出るのでさほど…

定食春秋(その 600)味噌かつ煮定食 in やよい軒

味噌かつを初めて食べたのは、大学に合格して上京するまで、半月ばかりの自由時間だった。せっかく親の転勤で愛知にいたので、名物を食べようと大須へ繰り出した。 外食をしない家庭だったので、愛知に住んだ3年半で名古屋名物を食べたのは、せいぜいスガキ…

麺喰らう(その 927)日清焼そば

インスタント焼きそばは、好みが分かれるところである。ペヤング、UFO、一平ちゃんの三強に、やきそば弁当やごつ盛り、各種プライベートブランドが林立する。 しかし、私が一番好きなのは「日清袋焼そば」である。湯を沸かし麺を煮て、水気がなくなる頃に粉…

麺喰らう(その 955)めっちゃコーン天そば in めとろ庵

今まさに、とうもろこしが旬であり、皮ごとレンチンすればお手軽に食べられる。幼い頃の夏休みに、寸胴鍋で茹でたとうもろこしがオヤツに出たっけ。なつかしいな。 でも普段のとうもろこしは缶詰めや袋詰めで、色や食感のアクセントという印象。味噌ラーメン…

麺喰らう(その 953)自家製・なみえ焼きそば

新宿で福島フェアが行われると聞きつけ、うきうきと出かける。地ビールや会津カツ丼に長蛇の列ができ、イカ人参などおつまみセットで午前からご機嫌にやっている。 伝統的なお菓子やミニチュアの赤べこも売っていて、それなりに盛り上がっている。福島といえ…

定食春秋(その 593)中華丼

中華料理の本場中国に中華丼はない。わが国発祥のいわゆる和式中華だけど、もはやその存在に違和感はない。むしろ街中華の花形ともいえるポジションではないか。 初めて中華丼を食べたのは、高校の頃である。両親が帰省する際、部活の関係で居残りの私に、食…

麺喰らう(その 951)小さな野菜ラーメン塩味 with バター風味 in 8番ラーメン at 金沢

金沢のソウルフードといえば、8番ラーメンである。いわゆる郷土料理も多いけど、札幌ならちゃんちゃん焼きではなく味噌ラーメンなように、金沢では8番ラーメンである。 寿司はもちろん、ゴリの佃煮、治部煮などの伝統料理、金沢おでん、カレー、ハントンライ…

定食春秋(その 578)目抜け鯛の粕漬け焼き定食

フグの子粕漬け・糠漬け。猛毒をもつフグの卵巣を、粕漬け、糠漬けにすると毒が抜けるという。金沢に伝わる伝統食ですが、どうして毒が抜けるのかわからない。 まるで、なぜ光るのかわからないサイコフレーム状態。オーパーツのような珍味ですが酒のアテによ…

定食春秋(その 574)金目鯛丼定食

魚の調理法としては、やはり「焼き」がポピュラーだろうか。新鮮ならばお刺身がいいし、揚げたり、干したり、バリエーションは豊かである。さすが海洋大国、日本。 あとは煮たり、蒸したりするくらいか。昭和のころは、それほど新鮮な魚が流通していなかった…

定食春秋(その 573)天然アジフライ定食

少し昔、昭和末期はまだ専業主婦も多く、中食も今ほど華やかでなく、食事は各家庭で手づくりされていた。冷蔵技術も頼りなく、季節ごと、旬の素材を食べていた。 うちの母も例に漏れず、工夫を凝らして食卓を彩っていた。当時は当たり前と思っていたけど、今…

定食春秋(その 543)鶏の唐揚げ定食

どんなご馳走もおなかがふくれていればありがた迷惑である。逆に清貧な食事であっても、場面によっては何よりのご馳走となる。そんな当たり前のことを思い出す。 というのも、本日の鶏の唐揚げ定食に「岩手産鳥肉」と但し書を見つけたからである。ちなみに岩…

定食春秋(その 527)湘南釜あげしらす丼

人の記憶は多岐にわたる。体験はエピソード記憶、知識は意味記憶、自転車に乗るなどは手続き記憶に分類される。内的動機や外的刺激でそうした記憶が呼び出される。 驚くべきことに、音楽や匂い、味などで、自分の奥底にある遠くかすれた記憶が出てくることが…

麺喰らう(その 800)ラーメン in 松葉 featuring with トキワ荘

思い出補正という言葉がある。初恋のひとはいつまでもかわいいし、おふくろの味はなによりもおいしいし、なんならオレちょいワルだったし、とか。 ジャネーの法則によれば、人生80年として、体感的には19歳で折り返しという。ゆえに若き日の思い出はとくに美…

定食春秋(その 491)ハンバーグ定食

ハンバーグといえば、湯気たちのぼる鉄板、ナイフを入れるとあふれる肉汁、肉の旨みと香ばしさが味の決め手。そんなファミレスのステレオタイプが浮かぶ。 かつて家庭のハンバーグといえばマルシンだった。牛肉自由化後に、食卓に上ることも増えたけど、合い…

定食春秋(その 464)煮込みハンバーグ定食

ハンバーグの原体験はマルシンである。牛肉輸入自由化前は、一般家庭でハンバーグなぞ出てこなかった。ブルジョワは知らんけど、少なくとも我が家では。 ゆえにマルシンの練り物にも通じる味わいが原体験だった。ミートボールならばイシイのオベントくんだし…

麺喰らう(その 770)コロッケそば

実家のコロッケは俵形だった。クリームコロッケにありがちな円筒状で、じゃがいもと挽き肉、玉ねぎが入っていた。もう食べることのできない、懐かしの味。 高校のころ、部活帰りに立ち寄った肉屋で食べたコロッケが平ったくて驚いた。家で母親にきくと「平べ…

定食春秋(その 455)くじら刺身定食

元祖ファミスタ世代である。シンプルながら奥の深いゲーム性は、一人でもたのしいけど、友人とのコミュニケーションツールとしても最高だったな。 オヤツを持ち寄り、賭けリーグをする。ガイアンツが人気だけど、強いのはフーズフーズやレイルウェイズ。パ・…