今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

歩く

定食春秋(その 631)ハンバーガー

旅先では景色もご馳走である。呼吸ですら非日常であり、静かな高揚感が持続する。かわいい子には旅をさせろとはよくいったもので、いくつになっても旅は人を磨く。 その場合、自宅からの距離よりも、心理的にハレを味わえるほうが旅のよさが出る。ホテルに引…

麺喰らう(その 936)とん汁うどん

春先に食べた市場めしがおいしかった。一期一会、気になるものを順番に食べようと誓ったものの、どこの駅からも遠いので、徒歩派としては猛暑の夏は行けなかった。 チャーシュー麺 https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2023/04/09/000000 カレーそば …

麺喰らう(その 951)小さな野菜ラーメン塩味 with バター風味 in 8番ラーメン at 金沢

金沢のソウルフードといえば、8番ラーメンである。いわゆる郷土料理も多いけど、札幌ならちゃんちゃん焼きではなく味噌ラーメンなように、金沢では8番ラーメンである。 寿司はもちろん、ゴリの佃煮、治部煮などの伝統料理、金沢おでん、カレー、ハントンライ…

定食春秋(その 591)マスターコース in 宝生寿し at 金沢

金沢で寿司。贅沢な響きであり、普段の食生活からはかけ離れている。ケの日といえば、そばを啜ったり、菓子パンをかじったりだけど、たまにハレの日があっていい。 猛暑のもと墓参りを終え、ダメもとで人気寿司店に足をのばす。各種ガイドブックに紹介されて…

麺喰らう(その 947)味噌らーめん

稲城の梨。瑞々しくておいしいけど、収穫量が少ないので一般には流通せず、農園の直売や地元スーパー、コンビニでしか売られていない。同じ都内でもレアな商品。 どれだけ流通が発達しようと、果物や海産物など、地産地消でしか楽しめない味があるわけです。…

定食春秋(その 584)江の島丼

名物にうまいものなし。そんなことわざがある。しかし土地の味は、その土地で暮らしている人びとの口に合うように生まれているので、半分間違い、半分正解と思う。 風土の味というのは地理や歴史の賜物であり、土地の息吹を思えば決して無碍にできない。ヤギ…

麺喰らう(その 943)香薫あらびきポーク鉄板ナポリタン

ひと昔前の観光地の食事は、値段のわりにおいしくないか、おいしいけど財布に厳しいかの2択だった。サービスエリアや海の家、スキー場のロッジが思い出される。 平成後半あたりだろうか、道の駅や滞在型サービスエリアが出始めたころ、価格と味のバランスが…

定食春秋(その 582)小田原丼 in 魚力 at 小田原

小田原城にはゾウがいた。1950年に来日したウメ子は、2009年までの長きにわたり、小田原城址公園で飼育されていた。天守閣とアジアゾウ、シュールな光景です。 私が幼い頃、1980年代前半に小田原城へ行ったときも、長じて自らの子どもを連れて2000年代に小田…

麺喰らう(その 937)合わせ味噌コーンバターラーメン with ザンギ in 千歳市

おにぎりあたためますか。北海道のコンビニでは、おにぎりを温めるかを確認されるという。バラエティの番組タイトルにもなっているフレーズを生で聞きたかった。 4時過ぎにホテルで目を覚ますと、既に外は明るい。いくら東京と経度が違うとはいえ、少し驚く…

定食春秋(その 577)刺身盛り合わせ in すすきの

昭和50年前後の生まれなら、タケちゃんマンを知っているだろう。人の親となったいま思えば、ひょうきん族はドリフよりも品がなく、楽屋オチも多かった気がする。 今日は吉原、堀の内、中州、すすきの、ニューヨーク♩そんな歌詞を高らかに小学生が歌うのだか…

麺喰らう(その 936)味噌ラーメン in 円山公園駅

初めて北海道の地を踏んだのが30年前。今はなき晴海ターミナルからフェリーで1日半揺られて苫小牧に上陸した。電車で札幌に移動すると、雪深さが際立っていた。 金沢も雪国だけど雪の質が違うし、札幌という都市部にこんなに雪が積もるのかと感心した記憶が…

麺喰らう(その 935)きつねうどん in 丸亀製麺 at 羽田空港

令和初、飛行機にのり北海道へ向かう。コロナも決して雲散霧消したわけではないけど、用心しつつ日常を取り戻す。むしろ久しぶりの非日常、飛行機に緊張している。 早めに羽田に着き、慣れないチェックインを終え、ひと息つくとお腹がすく。これから札幌でお…

麺喰らう(その 864)あなご一本天そば in しぶそば

いろり庵きらく、えきめんや、しぶそば、高幡そば、箱根そば。鉄道会社の眷属そばチェーン合同のキャンペーンに粛々と参加して、ようやくオーラスのしぶそばへ。 正直、京急に縁がないからあきらめていたのだけど、横浜に野暮用があったので、なんとかクリア…

麺喰らう(その 800)ラーメン in 松葉 featuring with トキワ荘

思い出補正という言葉がある。初恋のひとはいつまでもかわいいし、おふくろの味はなによりもおいしいし、なんならオレちょいワルだったし、とか。 ジャネーの法則によれば、人生80年として、体感的には19歳で折り返しという。ゆえに若き日の思い出はとくに美…

麺喰らう(その 752)江戸味噌炙りチャーシュー麺

東京は、世界有数の観光都市である。何を今さらだけど、コロナ禍以降、外国人観光客があまり来ないからか、そんな大事なことを忘れがちである。遠出も憚られるし、それなら今がチャンスとばかりに都内観光を繰り返す。いわゆる観光名所でなくとも、あちこち…

麺喰らう(その 715)元禄そば at 府中

オケラ街道。聞きなれないだろうけど、全国津々浦々、賭場の近くにはオケラ街道が通っている。ようは財布がすっからかん=オケラになった人のゆく道です。東京競馬場のある街、府中もその1つ。競馬場から府中本町、競馬正門前、府中、それぞれの駅にオケラ…

麺喰らう(その 633)ねばとろそば

ふと思い立ち、八王子城を目指す。暑くもなく寒くもない気候で、ロング散歩には絶好のチャンス。朝の高尾駅に降り立つ。朝食抜きなので何か食べたかったけど、「ええい、ままよ」と着の身着のまま出立する。なんとかなるでしょ、の精神です。後北条氏の出城…

喫茶見習(その 3)フレンチトースト de アンキパン with カフェラテ

藤子不二雄で漢字を覚えた。ドラえもん、ハットリくん、パーマン、怪物くん……枚挙に暇はないが、ふりがなつきなので、貪るように読んだ。小学校も高学年になると、コロコロを卒業して、ジャンプに夢中になる。えっ、まだコロコロ読んでるの? なんて雰囲気に…

定食春秋(その 304)ポークソテーと白身魚のフライ in 神保町

神保町の老舗ビアホール、ランチョン。古書店街と靖国通りを見下ろしつつ、プロの注ぐ生ビールをおいしくゴクゴクいただける大人の遊園地。されど日はまだ高く、残念ながらビールは自重して、日替わりランチを頼む。店前のディスプレイによれば、ポークソテ…

喫茶見習(その 2)コールドクレマコーヒー

散歩の途中、ひと汗かいたので喫茶店へ。グラスの水を飲んで汗はひいたし、喉も潤ったので、ホットでもいただくかとメニューをひらく。すると、目についたのが「8時間かけて水だししたアイスコーヒー」。これはこだわりの味っぽいな。お得なモーニングセッ…

麺喰らう(その 350)ミニ山かけそば+いなり寿司

渋谷駅の本家しぶそばが再開発でなくなるとか。しぶそばは普段の通勤動線にないので、散歩の途中で食べるくらいだけど、思うところはある。最近、立ち食い界隈は個人店、チェーン店ともに明らかに勢いがない。外食全体の問題かもしれないけど、入れ替わりで…

麺喰らう(その 327)カップヌードル in 砧公園

カップヌードルは、できるだけ自然の中で食べるほうがおいしい、との仮説を立てる。家で食べるよりも公園のベンチ、あるいは河原、山あたり。休日出勤の会社で食べるといかにも侘しく、その真逆を検証しようとの試みです。大自然のもと、ケミカルなラーメン…

麺喰らう(その 259)ごぼう天そば

旅の醍醐味は食事である。土地の雰囲気を味わうなら、胃袋にきくのが一番いい。文字通り、腑に落ちるってことです。とか言って横浜ですけど。そりゃ横浜だって立派な三百万都市。地方から来たならステキな観光地ですけど、東京からだと通勤圏だし、小旅行と…

麺喰らう(その 258)唐揚げそば

府中駅前は再開発で一変した。かつての雑多な商店街が消え、伊勢丹や映画館などができた。しかしその伊勢丹も撤退、新たな岐路に立っている。 そんな駅前ビルの一角に、朝早くそば屋が営業している。以前ケヤキ並木沿いにあったあの店だなと懐かしく、朝ご…

麺喰らう(その 191)高尾山のたぬきとろろそば

空腹に勝る味つけなし。おいしく食べるには 5W1H が大事だけど、まずは腹ペコにしないとネ。フォアグラつくるんじゃないんだから、無理に詰め込んでもいけないや。で、紅葉の高尾山へ行きました。初冬の山ならば植村直己や野口健の声が聞こえますが、高尾山…

麺喰らう(その 182)モーニングセット

天気のよい休日は朝の散歩が楽しい。いつもは喧騒で殺気立つ駅前も、やわらかい空気で満たされる。街のキャパに余裕がある風情がいいよねえ。普段のデスクワークならいざ知らず、朝から1万歩も歩くと小腹がすいてくる。せっかく日常こない駅なので、チェー…

定食春秋(その 96)よこすか海軍カレー

食事というものは、何を食べるかも大事だけれど、どこで食べるか、誰と食べるかなんてのも味の決め手となると思う。鉄版の隅に積まれていた屋台の焼きそばも、ダシの概念を忘れた海の家のラーメンも、シチュエーションが味を昇華させている、間違いなく。で…

定食春秋(その 81)べっこう寿司

まだ、大島にいます。お昼を食べ終え、近くの温泉に入ろうと海沿いを歩く。気持ちよい風が吹いていますが、いかんせん潮風なのでべとつきますナ。程なく到着した温泉は御神火(ごじんか)とかいう、火山島っぽいお名前。サウナ、ジャグジー、打たせ湯などひ…

定食春秋(その 80)地魚刺し身定食

なんとなく、伊豆大島にやってきました。非日常を求めつつ、日帰りしたいアンビバレンツな欲望を満たすのに、ちょうどいいのです、大島。ジェット船で都内から 90 分足らず。なんなら名古屋に行くのと同じと思えば、意外と近い。これから天気予報を見るたび…

麺喰らう(その 126)スガキヤ特製ラーメン

ご当地ラーメンは数多く、このご時世、その多くは都内でも食べられる。札幌、喜多方、博多といった大御所に限らず、ここで述べるのもキリがないくらい多士済々。そんななか、ヒッソリと関東から撤退したのがスガキヤ。いやいや、待て待て、スガキヤはご当地…