週末にわざわざ寺社仏閣を参詣しようという気になるのは、年をとったからでしょうか。いやいや、京都なんて年代関係なく人が集まるわけですから、一概に経年だけが理由でもないかな。
ともあれ、この時期とは思えないほど天気がいいので、散歩がてら深大寺に出かけました。
深大寺は東日本最古、白鳳時代の国宝・釈迦如来像があるようにかなりの古刹で、京王沿線の観光資源としてはかなりの上位に食い込むのではないでしょうか。おそばも有名だし、ゲゲゲの女房以来、鬼太郎ともコラボを始めてます。
ところがうっかりしたもので、今日は節分の豆まきの日なんですね。人混みが苦手で人っ気の少なそうなところを散歩する主義なのに、とんだ計算違いです。初場所優勝の玉鷲関が午後に登場というのは魅力的ですが、お団子を食べたら早々に参拝して退散するとします。
裏手の動物霊園を通りがかりに、かつて飼っていたネコのために手を合わせ、神代植物公園へ。節分ともなれば気の早い梅がチラホラと咲いており、紅白の小さな花が青空に映えています。
そしてバラ園に囲まれた噴水のほうへと。薔薇の名前なんて小説もありましたが、それぞれ趣き深いネーミングで楽しめます。プリンセスサヤコとか、プリンセスミチコなんて皇室にちなんだものもみられ、バラの季節に再訪したくなりますね。売店で扱う名物バラソフトのエグい香りも、散歩の思い出です。
それにしてもここは開放感にあふれていて、空気が3倍おいしく感じます。電線もみえず、車の音も聞こえず、空が高い。東京には空が無いと嘆いた智恵子に見せてあげたいくらいですね。
何というか、例えが貧困ですけど、箱根感に満ちた調布。彫刻の森美術館ですって言い張られたら、そうかもな~なんて思わず説得されそうな非日常。入場料のもとは十分に回収できるストレスフリーな時間が過ごせます。
そして大温室。熱帯食物はもちろんのこと、ベゴニアなど見どころも多く、ますます箱根感が増してきます。温室独特のむあっとした空気のなか、美しいものが嫌いな人がいて? などと独りごちます。
さて、ひと通り見回ったらバスにて調布駅へ。深大寺そばを食べ損ねましたが、季節がよくなったらまた来ようと思います。
いい散歩でした。