カレーライスとラーメンはともに国民食なのに、なぜかカレーラーメンは人口に膾炙しない。カップヌードルカレーが孤軍奮闘するくらいです。
跳ねて汚れるのが怖いならカレーうどんもそうだから理由にならない。局地的な動きはあっても、タピオカのような一大ムーブメントには遠い。
しかし、国内カレーの覇者となった CoCo 壱が、ひそかにカレーラーメンを展開しているとききつけ、店舗、曜日、時間限定のそれを食べにゆく。
うまこくと命名されたらーめん。麺の量や辛さが選べるシステムはカレー同様。玉子やカツなどのトッピングも頼めますが、初見だしノーマルで。
カレーに比べるとずいぶん待つな。待ってる時間もランチのうち、腹式呼吸なぞしながら、こころ穏やかに待つ。一種のマインドフルネスですな。
ほう、これがカレーらーめんね。そば店とは異なり、スパイスの香り高いところがカレー専門店の矜持か。何はなくとも、まずはスープをひと口。
CoCo 壱の万人受けするカレーが基本なので、何の違和感もなく、おいしい。はねないように気をつけて麺をすすれば、中印の橋渡し、三蔵法師。
肉味噌は甘く、野菜はシャキシャキ。カレースープにくぐらせながら食べていくのがちょうどいいねえ。しばらく食べて水を飲んで一旦リセット。
初見とは思えない懐かしい味をスルスル食べてゆく。カップヌードルカレーの存在が証明するように、やはりカレーとラーメンは並び立つのだ。
うーん、CoCo 壱が取り扱い店舗を増やさないのには、何か理由があるのだろうな。到着が遅いのは、すなわち回転が悪いということなのか。
東京はラーメンのおいしい店が多すぎて、勝負が難しいのかな。ここで卓上のカレースパイスをひと振りすると、途端に牙を向くカレーらしさ。
こんどは濃厚うまからシリーズを食べてみようかな。吹き出る汗を拭きつつ、そんなことを思う。スパイスは漢方だというし、胃も喜んでるな。
ごちそうさまでした。