今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 286)ミックスフライ定食

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給料日でもないのに、とんかつ専門店へ行くと、バチが当たる気がする。贅沢は敵だ!との戦中マインドに支配されている、団塊ジュニアです。


いつも混んでいる店に空席があったので、フラフラと引き寄せられる。ロースやヒレもいいけど、どうせなら、4桁上等、ミックスフライを注文。


大海老フライ、ヒレかつ、いかフライ、カニクリームコロッケ。アルファにしてオメガとでも言うべき、必要にして十分なラインナップです。


ご飯、キャベツ、味噌汁はおかわり無料か。オジサンはそんなに食べられないけど、心意気はいつも食べ放題。チリチリと厨房の揚げ音を楽しむ。


やってきたのは、うずたかい盛り付けが頼もしい一品。海老がシャチホコのように反り立っております。豚汁をズズと飲みつつ、しばし見とれる。


まずは、キャベツにソースをこれでもか、とかける。専門店のソースというのは、なぜこんなにおいしいのか。シャクシャクとベジファースト。


大海老は、衣のサクッとした食感ののち、プリッとした弾力で押し返される。ほのかで、確かな海の幸の旨み。タルタルとの相性は論を俟たず。


カラシをペトリ、本命のヒレかつ。素直に歯が通るやわらかさ。脂ではなく、肉の旨みで勝負のヒレかつは歳をとっても食べられるやさしさです。


いかは甘みがしみじみわかる。カラシにもソースにも負けない、静かなのに力強い主張です。スポッと抜けたりせず、衣との一体感が素晴らしい。


カニクリームコロッケは、そのままでおいしい、すっぴんの美しさ。千鳥はテレビ番組の罰ゲームで、このおいしさを一生味わえないのか(笑)


「トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが人間、えらすぎもしない、貧乏すぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」


とは有名な美味しんぼの教えです。賛否ある作品ですが、この言葉には首肯せざるをえません。ひと通り味わって、ゆっくり2周目を楽しむ。


やはり揚げものは気分が上がる。プロの仕事ならばさらなり。惜しむらくは、おかわりが不如意となった胃袋ですが、それもまた、いとをかし。


ごちそうさまでした。


しばらくは、孤食のグルメ&お蔵出しです。