今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 51)たぬきそば

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食べログで星を積み重ねるような華やかな店があれば、口コミもまばらにコツコツと客を受け入れる店もある。


どちらがよいわけではないけど、知る人ぞ知る店、地元の名店といった存在が万人の知るところになるのが現在ですな。


さて、今朝のおそばはシンプルにたぬきそば。チェーン店ではない、独立系の店舗。いつもの店員さんが、いつものように分業してお客をさばく。


ただひとつ違うのが、お値段。材料費高騰のため値上げいたしますとのお知らせが遠慮がちに貼られ、メニュー表にも新しい価格が上書きされている。


最近はサイレント値上げといって、価格はそのままに容量を減らす戦略がとられることも多いとか。カントリーマアムが小さくなっただの、牛乳パックが900 mL になっただの、苦心の跡がわかります。


注文をさばく手際をみるに、麺を按配する職人さんの手感覚や、専用おたまによるツユの配分などは変えにくいのだろう。こっそり減量するでなく、堂々と値上げする道を選んだことに賛同したい。


などと考えていると、いつものたぬきそばの価格感覚で小銭を準備する自分に気づく。いかんいかん、値上がっとるよ、20 円。瞬時に対応できないのでとりあえず 500 円玉でお支払い。まいど。


いただいた丼ぶりをトレイで押し戴いてカウンターへ。スツールに腰掛けながら、麺をすする。たぬきそばは、具をいつ食べようかと悩む必要がなく、ついつい思いにふけってしまう。


四月からいろいろ値上げって記事を読んだけど、ズルリ、こちらは消費税増税を前に値上げだし、ズルリ、切実なんだろうな、ズルリ。


そういえば消費増税はするのかな、ズルリ、どうでもいいけど政争の具にはしないでほしいな、ゴクリ。


途中で七味をかけ、時に丼ぶりを持ち上げ揚げ玉を一気に口に流し込んだりして完食。安定のこの味を楽しむためにも、定期的に訪ねては食べるしかあるまい。


安定、安心のチェーン店は大好きだけど、たおやかな心遣いをいただける個人店もやはり捨てがたい。みんな違ってみんないい。


ごちそうさまでした。