普段遣いの路線ではないからか、小田急の箱根そばにアウェー感を覚える。新宿にあるから遠慮することないんだけど、なんとなくよそよそしい。
季節商品や名物のコロッケそばなど、目移りしちゃうメニューが並ぶ。お得な朝そばにひかれるけど、定点観測としてのたぬきそばにしようかナ。
一見なんの変哲もないたぬきそば。真ん中に七味をかければ口紅のように鮮やかで色気が増して、井上陽水の Make-up Shadow みたいだ。
主役の揚げ玉はしっとりとして、周囲からツユに溶け込んでいます。中央をすくって食べれば、カールのような質感で、少しキシキシしています。
丼ぶりを持ち上げズルリと飲むと、もともとのツユの旨味に揚げ玉が油分を加えていて、絵にも書けないおいしさ。そばもキレがよくていいね。
ワカメもたっぷりで、エースコックのワカメラーメンみたい。石立鉄男の CM がなつかしい。しかし食べているのはたぬきそば、むしろ武田鉄矢。
なんのこっちゃな連想をしているうちに、食事も最終盤。ツユを吸った揚げ玉をそばと一緒にすすれば、唇テカテカ、グロスリップとなりました。
考えてみれば箱そばも隣の沿線。すっかり寛ぎのホームとなりました。今度は、コロッケそばにしようかなと思いつつ、唇を紙ナプキンでぬぐう。
ごちそうさまでした。
★しばらくは、食べだめのお蔵出しです。