散歩でもしようと府中に向かうと、あいにくの雨。
これが新宿のような繁華街なら地下でも歩いていれば雨をしのげますが、都下だとそうもいかない。ちょっと考えて府中競馬正門前駅から東京競馬場へ向かう。
駅から巨大な馬券売りビルまで親切に屋根がついているので、傘なしでウロウロするならちょうどいいんだナ、これが。
JRA はさかんに若者向けのCM をうってるけど、実際まわりをみれば、宣伝関係なくやってくるであろう鉄火場らしい紳士淑女が多い。まあ新規顧客開拓という意味では、CM は正しいカナ。
おっ、ディープインパクト。
さて、競馬というのはギャンブルといえばそうですけど、血統を重んじるブラッドスポーツの側面もあるわけで。
戦前は軍馬の育成を目的としましたが(=長距離馬が主眼)、現代では馬産地を有する富裕国ならではの文化といえます(=短距離馬の台頭)。
さて、JRA。売上金の25%をテラ銭(寺銭。ひいた残りを配当に回す)に巻き上げ、馬券売り場のビルをガンガンと立て替えてます。
まあ、宝くじのテラ銭ときたら 50%ですから、良心的とはいえましょうか。
さて、そんななか東京競馬場も、家族連れや若者を意識して、フードコートのような店舗を誘致しています。ラーメン、サンドイッチ、唐揚げ、うん、どこもおいしそう。
雨煙るなかスタンドから観戦するとたまたま障害レース。落馬すれば悲鳴があがり、騎手なき馬が飛越すれば笑いが起こる。なるほど、生の迫力はいいもんだ。
スタンド観戦後、メモリアル 60 というちょっと古い建物(といっても 20 年ほど前は新築だった)に向かうと、昔ながらの店構えの飲食スタンドがいくつか残ってます。
なぜか駅ビルに入っている個人の青果店や精肉店のような既得権益的なイメージですが、それはさておき、こういう雰囲気のほうがが私の舌には合いそうだ。
おっ、ここの吉野家は BSE 問題のときも、国産肉を使って牛丼を提供し続けたトコだな。その節はわざわざ食べに来た記憶が。ただ、大盛しか扱いがないので、今の腹具合ではキツイ。
そこでいただくのは、ギャンブル界隈によく似合う、もつ煮込み。なんでだろう、語呂合わせもとくにないんだけど、オジサンとの親和性なのかな。
ともあれ、鉄火場にはもつ煮込みがよく似合う。っていうか実際には鉄火巻なんて、滅多に売ってないケド。
閑話休題、注文するや否や、店員さんが手慣れた手つきでプラスチックの器にザバザバ注いでくれる煮込み。
トングでネギを散らせば、ものの 20 秒で到着。同じタイミングで頼んだハイボールが追いつけないほどの提供速度です。
まずは、七味を多めに振りかけて、割り箸をパチンと割る。この勢いって、食事をおいしくするおまじないだよねー。
メインの豚もつはクニクニ、脂があま〜い。コンニャクは歯ごたえよし。大根はホクホクでよく味がしみてます。ここでハイボールをグイ。
せっかく競馬場に来たので、馬券もつまむくらいには買ってある。モニターで、ちらちらとレースを見ながら立ち食いする。我ながら、なかなか場に馴染んでるんではなかろうか。
(結果はともあれ、参加することに意義がある。鉄火場だもの)
さてさて、七味をたっぷりかけてあるので、底に近づくにつれ刺激が強くなり、これまたハイボールに似合う。
最後は醤油のきいたスープを左手で飲み干し、右手ではハイボールでグイッとおいかけて完食。
ビルを隈なく歩いて、頃合いをみて馬券を買って、いい散歩だね。雨も弱くなってきたけど、メインレース後は混み合うから早めに引き上げようかな。
ごちそうさまでした。