オケラ街道。聞きなれないだろうけど、全国津々浦々、賭場の近くにはオケラ街道が通っている。ようは財布がすっからかん=オケラになった人のゆく道です。
東京競馬場のある街、府中もその1つ。競馬場から府中本町、競馬正門前、府中、それぞれの駅にオケラ街道がのびてます。行きはよいよい、帰りはこわい。
府中駅は再開発ですっかり綺麗になりましたが、そんなビルの一角に、昔ながらの立ち食いそば屋が生き残っています。大国魂神社への参詣前に立ち寄るかな。
券売機には色々あるけど、ここは店名を冠する「元禄そば」にしよう。何がくるかはお楽しみ、まるでチョコレートの箱のよう、開けてみるまでわからない。
立ち食いそばの花形はやはり揚げ物。加齢とともに朝から揚げ物はキツくなってきたなあ。食券を提出して、何がくるのかドキドキしながら店内を見回す。
すると、壁のメニュー「ナット 100円」の文字が。ボルト&ナットのしくみで組みこまれる街で♩などとヒムロックの声が思い出されるけど、納豆ですね。
みれば、ナットの上に玉子、下にライスがあり、ガッツリ食べられるしくみ。感心していると元禄そばのお成り。山菜、玉子、海苔がのせられたヘルシーそば。
まずはダシを飲んでお腹を温め、山菜を箸でつまむ。キュッキュ、クキクキと風味よく、なめこのトロリが嬉しい。茹でそばは、ザ・立ち食いの味で好ましい。
玉子の白身をツルリと食べ、黄身をダシに漬け込んでおく。あとはズルズル、クキクキと山菜そばを楽しみ、七味で風味を加えたり、海苔の香りを楽しんだり。
沈めた黄身がトロリとするころに再会。箸で割って、からめながら食べれば淡麗な味にコクが重畳してリッチな気分。やさしい味を、一気呵成に食べ終える。
本日は競馬場には行かないんだけど、軍資金のためには、安くておいしい店があると助かるよな。オケラ街道の本領発揮だな。さて、朝のうちに参詣しよう。
ごちそうさまでした。