今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 715)元禄そば at 府中


オケラ街道。聞きなれないだろうけど、全国津々浦々、賭場の近くにはオケラ街道が通っている。ようは財布がすっからかん=オケラになった人のゆく道です。


東京競馬場のある街、府中もその1つ。競馬場から府中本町、競馬正門前、府中、それぞれの駅にオケラ街道がのびてます。行きはよいよい、帰りはこわい。


府中駅は再開発ですっかり綺麗になりましたが、そんなビルの一角に、昔ながらの立ち食いそば屋が生き残っています。大国魂神社への参詣前に立ち寄るかな。


券売機には色々あるけど、ここは店名を冠する「元禄そば」にしよう。何がくるかはお楽しみ、まるでチョコレートの箱のよう、開けてみるまでわからない。


立ち食いそばの花形はやはり揚げ物。加齢とともに朝から揚げ物はキツくなってきたなあ。食券を提出して、何がくるのかドキドキしながら店内を見回す。


すると、壁のメニュー「ナット 100円」の文字が。ボルト&ナットのしくみで組みこまれる街で♩などとヒムロックの声が思い出されるけど、納豆ですね。


みれば、ナットの上に玉子、下にライスがあり、ガッツリ食べられるしくみ。感心していると元禄そばのお成り。山菜、玉子、海苔がのせられたヘルシーそば。


まずはダシを飲んでお腹を温め、山菜を箸でつまむ。キュッキュ、クキクキと風味よく、なめこのトロリが嬉しい。茹でそばは、ザ・立ち食いの味で好ましい。


玉子の白身をツルリと食べ、黄身をダシに漬け込んでおく。あとはズルズル、クキクキと山菜そばを楽しみ、七味で風味を加えたり、海苔の香りを楽しんだり。


沈めた黄身がトロリとするころに再会。箸で割って、からめながら食べれば淡麗な味にコクが重畳してリッチな気分。やさしい味を、一気呵成に食べ終える。


本日は競馬場には行かないんだけど、軍資金のためには、安くておいしい店があると助かるよな。オケラ街道の本領発揮だな。さて、朝のうちに参詣しよう。


ごちそうさまでした。