カレー色というと何色を思い浮かべるだろうか。給食に出た黄土色や、ココイチの茶色、エスニックの赤色など、暖色系であろう。
で、こちらの黒カレー。赤や黄色があるわけでなく「うちのは黒いですよ。玉ねぎもスパイスも、よく炒めてますよ」との証左です。
レトルトで青カレーがあるとききつけ、デパートで手にとってみたものの、あまりのインパクトにそっと棚に戻した記憶が甦る。
着色料だから気にすることはないけどさ。グリーンカレーは気にならないのに青色は食べ慣れないからかな、とか思う間に到着。
たしかにドス黒い。闇夜の鴉の如き漆黒は、シャツにこぼしたらシミになりそうで緊張します。まずは味噌汁を飲みつつ、舌慣らし。
サラダのオレンジ色はまさかカニの内子か、と思ったらニンジンですね。さっぱりドレッシングでベジファーストが捗ります。
では、カレーをば。まずトマト的な酸味が広がり、深いコクのあと辛味が走る。野菜の種類はわからないけどスパイス感がすごい。
コクというのは便利に使う言葉ですね。「よくわからないけど、何かが奥で穴を深く掘っている」って感じをうまく伝えられます。
見えにくいけど、カレーソースには大ぶりな牛肉ががゴロゴロいます。1つ取り上げて食べるど、脂はトロリ、繊維がキシキシです。
絶妙な煮込み具合ににっこりしつつ、添えてある薬味をのせる。らっきょう、刻みピクルスと、白菜だろうか。辛味逃しに丁度いい。
それにしても喫茶店のカレーというものは、専門店とも市販のルウとも異なり、個性派ながらおいしい。秘伝のレシピがあるのだな。
デザートは苺ソースがかかったババロアだろうか、硬めのフルーチェのような食感。我ながら、甘いものを表現する語彙がないな…。
ともあれ食後のコーヒーまでがワンセット。なんらかのクラシックが静かに流れる店内は、お客さんもはけて静かなひとときです。
ごちそうさまでした。