今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 388)黒カレー

f:id:socius_lover:20211015124318j:plain


カレー色というと何色を思い浮かべるだろうか。給食に出た黄土色や、ココイチの茶色、エスニックの赤色など、暖色系であろう。


で、こちらの黒カレー。赤や黄色があるわけでなく「うちのは黒いですよ。玉ねぎもスパイスも、よく炒めてますよ」との証左です。


レトルトで青カレーがあるとききつけ、デパートで手にとってみたものの、あまりのインパクトにそっと棚に戻した記憶が甦る。


着色料だから気にすることはないけどさ。グリーンカレーは気にならないのに青色は食べ慣れないからかな、とか思う間に到着。


たしかにドス黒い。闇夜の鴉の如き漆黒は、シャツにこぼしたらシミになりそうで緊張します。まずは味噌汁を飲みつつ、舌慣らし。


サラダのオレンジ色はまさかカニの内子か、と思ったらニンジンですね。さっぱりドレッシングでベジファーストが捗ります。


では、カレーをば。まずトマト的な酸味が広がり、深いコクのあと辛味が走る。野菜の種類はわからないけどスパイス感がすごい。


コクというのは便利に使う言葉ですね。「よくわからないけど、何かが奥で穴を深く掘っている」って感じをうまく伝えられます。


見えにくいけど、カレーソースには大ぶりな牛肉ががゴロゴロいます。1つ取り上げて食べるど、脂はトロリ、繊維がキシキシです。


絶妙な煮込み具合ににっこりしつつ、添えてある薬味をのせる。らっきょう、刻みピクルスと、白菜だろうか。辛味逃しに丁度いい。


それにしても喫茶店のカレーというものは、専門店とも市販のルウとも異なり、個性派ながらおいしい。秘伝のレシピがあるのだな。


デザートは苺ソースがかかったババロアだろうか、硬めのフルーチェのような食感。我ながら、甘いものを表現する語彙がないな


ともあれ食後のコーヒーまでがワンセット。なんらかのクラシックが静かに流れる店内は、お客さんもはけて静かなひとときです。


ごちそうさまでした。