今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 706)カレー南蛮そば

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カレーの粘度は、オノマトペのグラデーションである。シャバシャバ、さらさら、トロリ、ドロリ、もったり、と言ったところか。人によるだろうけど。


カレー南蛮に合うのは、個人的にはドロリかな。トロリだと食べているあいだにツユに溶けてゆく気がして。ドロリはごはんにしみないから、そば向きですね。


カレー南蛮を注文すると、いつも思い出すのは学食のカレーそば。カレーライスのソースを、かけそばにかけただけのシンプルな味わいが、自分の物差しになりました。


一方で、街そば屋さんのカレー南蛮はその店の個性が如実に出る。辛さ、スパイス感はもちろんだけど、具材、ツユとの相性など、二つとして同じものはない。


こちらのカレー南蛮は、豚薄切り肉、削ぎ切りの長ネギのシンプルながら十分な陣容です。全体にドロリとした粘度で、飛び跳ねの少ないタイプが嬉しい。


そろそろとそばをすすり、熱が入って甘みを帯びたネギを喰み、歯ごたえのよい豚肉をかじれば、ごはんが欲しくなる。しみじみ、理想形の南蛮です。


汗をかきつつ、水を飲みつつ、たゆみなく食べていく。片栗粉なのだろうか、最後までドロリとしたカレーは頼もしいやら、心強いやら、懐かしいやら。


ごちそうさまでした。