今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 12)コロッケそば

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立ち食いならではのメニューってありますよね。たとえば、天ぷらそばといえばかき揚げがデフォルト。一般的なエビ天は別メニュー扱いです。ちくわ天だっていわゆるふつうのそば屋では出しません。すり身にされたうえに穴あけられて業火に焼かれ、さらにアオサとともに衣をつけて揚げられる白身魚の身にもなってほしい。おいしく食べてね。なんの話だ。


で、コロッケそばも立ち食いならでは。海原雄山なら怒り出しそうなメニューです。「なんだこれは。主人を呼べい」と。そこで最初は否定派だった山岡さんが「そば切りというのは、江戸時代のファストフードなんだ。気軽に食べられるのが本来の姿じゃないかな」などと肯定派に転じる。そして富井副部長がケケケーって酒飲んで暴れる。いやだから、なんの話だ。


ともあれそのビジュアルは「その者、なかなか溶け出さない衣をまとい、金色のつゆに降り立つ」といった風情です。

まずはサクサク感が残るうちに、ひと口、ふた口とコロッケをかじる。歯形のついたコロッケは端で待機してもらい、ひとしきりそばをすする。

しみ込んだつゆでコロッケ帝国が崩れゆく前に、慎重に食べ進めます。つゆのしみた衣がおいしい。最後は濃厚なジャガイモスープをさじで丹念にすくって完食。


コロッケそばなんて、一生食べません、なんなら一生知らないですごします、なんて人も多い気がしますが、ぜひ一度ご賞味を。まあ、こんなもので人生損してるとは思いませんが。


ごちそうさまでした。