今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 511)朝そば(冷) in 箱根そば

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冷やしそばを食べ始めるタイミングは難しい。ファッションの基本は季節を先取りというけど、立ち食い業界もそうなのだろうか。少し悩ましい。


冷やし中華ならば「はじめました」のポスターが季節の呼び水ですが、立ち食いそばでは年がら年中取り扱っている店舗も多い。実に悩ましい。


まあ、思い立ったが吉日かな。箱根そばの券売機で冷ボタンをポチリ。本番前にカラダが冷えないように水をチビチビ飲みつつ、呼び出しを待つ。


今年の初もの、恭しくいただこう。器を少し傾けてツユにワサビを溶く。少しずつ濁るツユで、季節の変わり目を感じるね。まずはツユを味見。


ツユは当然ながら冷たく、濃いめ。ダシのやさしさをとりこむ温そばと異なり、ツユの粋を味わうといった異なる趣きです。だがそれがいい


たぬき、きつね。ワカメ。さんま、たけし、タモリの如き、朝そばの豪華な顔合わせ。たぬきはモロモロ、きつねは甘く、ワカメは歯ごたえ十分。


冷たいと味がよくわかりますね。もりそばに直接七味をかける池波正太郎先生に倣い、途中で七味を振りかけて味変を楽しむ。楽しみすぎだな。


すっかり平らげてもあえてそば湯はいただかず。冷えたカラダはそのまま、新しい半袖シャツをおろしたような感覚。冷やしそば、はじめました。


ごちそうさまでした。


しばらくは、お蔵出しです。