今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 416)ちらし寿司弁当

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ふと未整理写真フォルダにちらし寿司弁当が残っているのに気づく。日付は3月末だからお花見用に売られていたかな。彩り鮮やかで、思わず見とれる。


ひな祭りに食べるという印象からか、ちらし寿司は春が似合う。五目酢飯に、旬のタケノコや煮つけた椎茸が混ぜ込まれ、錦糸卵が菜の花畑のように耀く。


とか書いていると、あの甘酸っぱい酢飯が脳裏によみがえる。そうだよな、寿司っていうとちらし寿司だったよな。握り寿司はハレの日のご馳走だった。


黄色い袋の「すしのこ」をふりかけて、酢の気配に咽せ込みながら混ぜる。エビやマグロではなく、エンドウやニンジンで彩られる植物性のお寿司。


ちょっと醤油をかけたりして、お吸い物をズズズと飲む。持ち帰りや回転寿司のお陰で握りは身近になったけど、幼い頃の記憶はやはりちらし寿司だった。


甘い煮豆、ナスの煮物、つくね、ミニかき揚げ、白和え。日本酒が似合う、ちらし寿司弁当が最近売っていないのは、やはり季節商品だからだろう。


「今日はお寿司だよ〜」と声をかけて、集まった家人がちらし寿司をみて何というだろうか。試してみようかな、と大人のいたずら心が芽生えました。


ごちそうさまでした。