今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 248)鰻のばらちらし

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海鮮が食べたい。煮たり、焼いたり、蒸したりしない、生の海鮮が食べたい。そんな熱情に動かされ寿司屋のノレンをくぐりメニューをひと睨み。


ランチタイムは、お得な各種握り、海鮮たっぷりの丼ものがあるんだよネ。などと浮かれていると新作なのか鰻のばらちらしと目が合ってしまう。


焼いてるし、なんなら煮ツメが塗られているし、当初の目的とはズレましたが、君子豹変す。力強く大将に注文を通して、あっついお茶をすする。


握らないぶん、到着は早い。お茶の冷める間もなくやってくる。鰻の茶色、イクラの赤、キュウリの緑、玉子の黄色。海の宝石箱や〜などと思う。


まずはひと口。酢飯の上部に塗られた煮ツメが濃厚でおいしい。鰻ばかり食べてると、最後はひたすら酢飯を食べることになるな、と現実を認識。


アオサと豆腐の味噌汁をすすりつつ作戦をねる。ワサビを小皿に移し、醤油で溶いておく。キミの出番は後半、スーパーサブ、巨人なら増田だ。


いくらはプリプリ弾けるような食感で、旨みのカプセルです。キュウリ、卵は彩りと食感に加え、濃い味付けの調整もしてくれる頼れる助っ人。


およそ半分食べ進めるころ、鰻の煮ツメの層がなくなる。ここで代走増田。味が濃くなりすぎないよう、慎重にワサビ醤油をかけて、後半戦。


これは見事な変貌ぶり。増田、増田と騒ぎましたが、この完成度は丸がやってきた巨人打線のような、ラストピースが揃った味。頑張れ、増田も。


ともあれ、ばらちらしは握りやチラシと違って、組み立てを考えなくてよい。箸を入れれば、ほぼ均質のおいしさ。大満足でお腹パンパンです。


ごちそうさまでした。