久しぶりの朝なか卯。朝麺が新価格となっている気がする。うどん280円、そば330円。立ち食い界隈にはない価格差ですが、今日の気分はうどんかな。
大体のそば・うどん店では、どちらを選んでも同じ値段ですよね。考えれば不思議なことで、どちらも仕入や手間があるのに、どういう理屈だろう。
ただしそば屋さんは「うどんで」と言わないと基本そばが出るし、一方でうどん屋さんはそばを取り扱わないことも多い。とかいう間に到着する。
「丼ぶりと京風うどん」を看板にするだけあり、なか卯のダシは掛け値なしにおいしい。ご自慢のうどんも、もっちり、ツルツルと喉を通り抜けてゆく。
別盛のかき揚げは揚げたてサクサク。箸で割ってかじりつけば、まずは油の旨み。咀嚼するうち、ごぼう、にんじん、玉ねぎ、かぼちゃの甘みがしっかり。
唇テラテラにしつつ、半分ほどは野菜の味を堪能する。同様にうどんもシンプルに半分ほど食べたのち、両者を組み合わせ、天ぷらうどんの完成です。
ON砲、AK砲など、一人でも怖いのに、コンビになるとさらに凄みを増す感じ。天ぷらの油がダシに旨味を、ダシが天ぷらに奥行きを与え合います。
やがて、モロモロ、ハラハラとかき揚げはほどけていき、うどんと一緒にすするうちにエビの風味が鼻を抜ける。何だ、きみもいたのか、とニンマリ。
おいしい時間もあっという間、さながら風の前の塵の如く。諸行無常を覚えつつ、丼ぶりに残るダシを、これまた半分ほど飲み干して、冷たい緑茶でしめる。
ごちそうさまでした。