真夏のそば屋に刺激を求め、かれー南ばんを注文する。ここのカレー汁は濃いめ、辛めなのでいつも楽しみだ。到着を待つあいだ、メニューをじっと見る。
基本のかけが500円、カレーが800円ということは、トッピングが300円ということか、安いもんだ。トッピングという視点でお値段をチェックする。
きつね、たぬき100円、むじな150円、月見150、かきたまは玉子が多いのか300、鳥南ばん250、おかめ250、天ぷら300、
天とじ350。なるほど、趣き深い。
単純な足し算でないのが、人の世と通ずるものがあるな、などと思いつつやってきた丼ぶりと対峙する。箸を割り、ネギをのせて、七味を振る。いただきます。
暑い日こそカレー! なんて思うんだけど胃弱か中年になるとランチカレーは一大イベント。刺激が強すぎると、午後ずっと胃もたれになるのです。
その点、カレーそばはちょうどよい。カレーソースとツユの邂逅が、刺激を求める脳とそれを拒否する胃袋にちょうどよい。はねないよう、スルスルと食べる。
水位が半分ほどになったところで視線をあげる。すると向こうに、肉せいろそばに七味をかけて、ビールを飲んでる紳士をみかける。昼から、うらやましい。
ともあれ、煮えたネギをハフハフつつき、豚コマを丹念に拾い上げ、ザ・そば屋のカレーを堪能する。食べ終えるころには、予定通り顔が暑くなっている。
ごちそうさまでした。