赤ウインナーは郷愁をさそう。シャウエッセンなどない頃、子どもにとって赤ウインナーは、魚肉ソーセージの上に立つ本物のウインナーだった。
お弁当の色合いはプチトマトではなく赤ウインナーだったし、その深紅のボディゆえ、タコさん、カニさんとかわいらしく飾り切りされていた。
しかし、本格志向のウインナーが出回るようになると、赤ウインナーは段々と隅に追いやられていった。とくにバブルの頃、顕著だったと思う。
さらに、そのドギツイ色合いのため、着色料まみれの懸念もあり、自然派ママさんから警戒されてきた。しかし、こちらは植物由来の着色だとか。
安心の赤ウインナー。昭和生まれとしては嬉しい限りです。で、豚コマでよいところを、わざわざ赤ウインナーを使って焼きそばを炒める。
半裁した赤ウインナーに、たまにアタリとしてタコさん加工をしてほくそ笑む。それにしても、ソースの焦げた匂いというのは、最高すぎるゾ!
山盛り焼き上げて、タコさんを頂上に飾りつけてひとり悦に入る。食べてみればなんてことない、いつもの焼きそばだけど、心は射抜かれてます。
子ども時代を懐かしみつつ、きっちりビールを飲むのがおじさんたる所以。紅ショウガとか、青のりとか画竜点睛を欠いても、大満足の夕餉です。
ごちそうさまでした。