お目当てが混んでいて、途方に暮れる昼休み。路面に置かれた看板を眺めつつ移動していると、黒チャーハンの文字が目に飛び込む。黒ですと?
ゴマ、イカスミ、こんぶ、ひじき、黒豆。なんにせよカラダによさそうだ。袖擦り合うもなんとやら、?を!に変えるべく、ノレンをくぐる。
カウンターに座り、お冷の到着と同時に注文。メニューをあらためてみても写真がなく、ノーヒント。期待半分、ドキドキ半分でしばし待つ。
登場したのは、黒というより茶色く、まるで小笠原諸島に出現した西之島のような風体のチャーハン。ともあれ、色の秘密を探るべく、パクリ。
この風味はオイスターソースかな? 舌に自信がないので断言できませんが、醤油でもソースでもないし、中華料理店だし、と弱気に予想する。
ともあれ、チャーハンはいつ食べてもおいしい。米あり、玉子あり、スープあり、レンゲ1つで味わえる小宇宙を、カチャカチャ忙しなく食べる。
ご飯ひと粒ひと粒が油をまとい、食欲を刺激し続けるけど、いかんせん量が多い。目測だけど3合くらいありそう。ネジを巻き直して食べてゆく。
こうなるとチャーハンのよさである均質な味が、単調さに置き換わり、おいしさを上回る満腹感と闘う。つくづく胃弱な己れの生まれをうらむ。
目先を変えるスープを入れる余地も惜しんで、チャーハンを胃に隙間なくおさめる。久しぶりに達成感のあるランチでした。食後の水はチビリと。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。