今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 821)しおバターコーンラーメン

 

ラーメンの味つけの基本はスープ+タレの組み合わせである。鶏ガラ、昆布、煮干し、豚骨などでダシをとったスープに、タレで味つけをしていく。

 

たとえば豚骨ひとつをとっても、博多のように白濁したスープに塩ダレをあわせることもあれば、喜多方のように澄んだスープに醤油ダレの組み合わせもある。

 

いわゆる昔ながらの中華そばの流れで、基本は鶏ガラ+醤油ダレであり、進化、分化を続けて百花繚乱、群雄割拠の今のラーメン界隈が形成されたのだろう。

 

さて、本日は塩ラーメン。こちらの人気ランクは「辛みそ」「みそ」「チャーハン」であり、醤油すらランク外。塩ラーメンは券売機の隅に追いやられている。

 

塩分はとかく健康の敵にされる。高血圧の原因であり、減塩が正義であるように刷り込まれる。そうかもしれないと思うのが、悲しいけどオレ、中年なのよね。

 

でも、塩ラーメンはスープの味がわかりやすい。味噌汁よりもすまし汁のほうがダシに鋭敏になるように。とか言ってコクを求めてバターをトッピング。

 

まずはスープをひと口。うん、おいしい。みそ味と比べても仕方ない。みんなちがって、みんないい。もやしをスープに浸してベジファーストで食べてゆく。

 

コーンもトッピングしたので、穴あきスプーンがついてくるのが嬉しい。コーンの沈殿を気にせず食べられるし、全ラーメン店に常備してほしいアイテムです。

 

油膜のはったスープに、さらにバターが溶け込んでゆき、徐々に甘いコクが加わるのがいとをかし。ちぢれ麺がよくからんで、馥郁たる香りが心を満たします。

 

このラーメンなら、コショウよりも、七味が似合うかな。途中まで食べて、サラサラとふりかけて味変する。脂っこさを引き締めて、後半戦に向け中弛みなし。

 

クニクニのメンマ、焼き目の香ばしいチャーシュー、ショリショリのネギもすべてバター味をまとい、どこに箸を刺そうとシアワセがついてきます。

 

なんと言っても、甘いコーンと塩バターの相性のよさたるや! 麺を食べ終え、穴あきスプーンで掬い上げてはよく噛んで、3分ほどかけてじっくり堪能する。

 

塩分を意識し始めると、麺類なぞ食べられない。穴あきスプーンの有能性は、具の取りやすさだけでなく、スープとの取り分け機能にあるわけですよ。

 

ちなみに海水の塩分濃度は3.4%で、体液は0.9%。おいしいと感じる汁物は体液よりやや高めの1%前後で、ラーメンスープはさらにお高めの1.5%あたりとか。

 

水飲まなきゃ。

 

ごちそうさまでした。