カキは R のつく月に食べようという格言。September に始まり、April に終わるシーズンは実は8か月に及び、意外と長い。
夏場が旬の岩ガキもあるから、その気になれば年じゅう食べられる。とはいえ秋が深まると、フライだ、鍋だとカキごころがはずむ。
で、定食屋の黒板メニューを一瞥しただけでカキフライ定食に決定。ブログをひもとくに半年ぶり。首を長く待ち侘びたといえよう。
味噌汁で箸を湿らせると、おっシジミ汁だ。このコク、内臓も喜んでるな。ベジファーストで自分を焦らして、いざカキフライを。
4つあるので、2つはソース、2つは醤油にしようかな。奇数だったら悩みが深くなるところでした。パセリを食べ、レモンを絞る。
カリッ、ハフッ。ソースの香りののち、海の雫が飛びこんでくる。少しほろ苦く、ご飯にも、ビールにも、ハイボールにも合いそう。
残り香があるうちにご飯を食みつつ、2つめは醤油で。ソースでは洋食なんだけど、こちらは日本酒とも合いそうな雰囲気に様変わり。
ともあれ、旨いものは理屈抜きに旨いのだ。3つめからは辛子をまぶして、鼻に抜ける刺激を楽しむ。貝柱のクニクニもたまらない。
箸休めに味噌汁のシジミの身を丁寧につつく。エビフライの尻尾を食べるかは両論あれど、シジミについては選ぶ余地がないと思う。
小鉢の昆布も、鮮やかなお新香も、嬉しいばかりのザ・定食。主役を食うような不粋はしないけど、役割を忘れずに果たしている。
さて、残るカキフライはひと粒。名残惜しいけどシーズンは始まったばかり。エイっと放りこんで、ご飯とともにおいしく飲み込む。
ごちそうさまでした。