親子丼ときけば「とろとろの卵と、しっとり鶏肉がたまらないよね。彩りの三つ葉、シャキシャキの玉ねぎも欠かせない」となる。
「えっ、違うの?じゃあ、脂ののったサーモンと、プチプチいくらのハーモニーだよね。ご飯が進んで困っちゃうやつ」ともなる。
では、親子らーめんならばどうか。「鶏がらスープに煮卵かな…すると、結構いろんな店で出してるよね。みたことないけど」となる。
勿体ぶっても仕方ないのでネタバラシすれば、鶏の唐揚げと味玉が同居したひと品。ありそうでなかった、盲点ともいうべきネーミング。
こちらは長崎直送の「焼きあご」すなわち飛び魚から出汁をとり、海藻、キノコ、各種節、肉などを用いた繊細かつ上品なスープがウリ。
久しぶりに来たので、なぜ親子らーめんを出すに至ったのかはわかりません。でも揚げ物+炭水化物とくれば、男子たるもの必食です。
お隣さんは「親子の大盛り」を頼むなど、店のユーザーには当たり前の風景らしい。楽しみに待てば、どーんとやってきました。
ひい、ふう、みい…唐揚げはたっぷり5つあるので心強い。まずはスープを飲めば、あっさりながらも深い旨味があって、感心する。
細麺をすすれば、青さのおかげか、どことなく潮の香りがして相変わらずおいしい。では、唐揚げをひとつ、食べてみるとするかな。
アチアチ、ハフハフ。下味は薄めで、ラーメンと食べてちょうどいい塩梅。カリカリの衣、ふわふわの肉質、適度な脂身など文句なし。
ズルズル、ハフハフ食べ続け、卓上の「ゆずこ酢」こと、柚子胡椒とお酢のブレンドをかければ、途端に、辛っ、旨っ、と味変です。
かけすぎると繊細なスープが台無しになるけど、この刺激は実に好み。熱っぽい口の中が、さらに活性化しますね。水を飲んで小休止。
ここいらで、唐揚げと煮卵を一緒に頬張れば、押しも押されもせぬ親子らーめんを実感。お腹いっぱいにシアワセを詰め込めました。
ごちそうさまでした。