今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 618)鶏肉の香り揚げ定食

 

華僑の街中華。定食メニューが華やかで何度行っても悩んでしまう。体調、天候、直近に食べたものなどに左右され、思考もブレブレです。で、本日は鶏肉の香味揚げ。

 

鶏の唐揚げっぽいですが、中国語では香酥鶏と書き、鶏の香りサクサクといった意味合い。写真をみればもも肉を大きなまま揚げたようで、まるで長野名物の山賊焼き。

 

長野名物の山賊焼きも、鶏もも肉をからりと揚げた、ボリューム感あふれるひと品である。「鶏を揚げる」すなわち「取り上げる」ことから、山賊と名づけられたとか。

 

もっともWikiによれば、考案した店の大将が山賊似だから山賊焼きらしい。山賊に似ているってどんな顔だよ、と思うけど、ご当地グルメに詮索はヤボですかね。

 

カウンター席で待っていると、お隣の後客も、メニューの豊富さに私と同じ悩みを抱えている。「うーん、この前食べたからなぁ。でも、まだ暑いしなぁ。中華丼!」

 

どうも思考を口に出すタイプのようで、他人のメニュー選び思考の一端がわかって興味深かったです。ずっと独りごちるわけでもなく、お隣さんも沈黙に入りました。

 

さて、香り揚げ登場。器の面積の大半を占める迫力で、チラリとソースがかかっています。端っこをひと切れ食べると、まずはカリカリ、サクサクとした食感が楽しい。

 

当然、内側には鶏肉がいるわけで、こちらはジューシーですが、丸い唐揚げと比べるとハフハフするほどは熱くない。そのぶん冷静に味を堪能できて、楽しい昼げです。

 

しっかりした下味がついているので、ソースのかかっていない部分でもオカズヂカラは抜群。正直ごはんは足りないけど、オジサンの胃にはこれくらいでちょうどいい。

 

ソースはオーロラソース風だけど、もっと複雑なコクがありますね。厚みがないぶん、肉汁よりも、鶏の旨みを味わえるので、箸が止まらず、どんどんお腹にたまります。

 

あっさりした玉子スープ、さっぱりした野菜サラダを合間に挟みつつ、冷たい麦茶で涼をとる。三角食べを繰り返して、すっかり平らげました。長野にも、行きたいな。

 

ごちそうさまでした。