「雑草という草はない」とは昭和天皇のお言葉。どんな草にも名があり、生があるので尊重しなさいというお人柄がわかるお言葉です。
で、高幡そば名物の明日葉天そば。収穫しても、明日には生えてくるから明日葉。その強い生命力にあやろうと、券売機でポチリ。
明日葉は伊豆七島が産地だけど、ミツバやヨモギならその辺の土手に生えているかもしれない。なんというか、不思議な気がします。
山菜摘み、キノコ狩りなど、自然の中で食料を瞬時に見分けるのは、特殊能力ですよね。先人たちのトライアンドエラーに感謝です。
さて、やってきた明日葉天そば。七味をふってまずはそばをズルズルと。ツユもそばも、いい意味で安心のザ・立ち食いクオリティ。
無難なおいしさにほっこりしたところで、大きく口をあけ明日葉天をガブリ。カリコリした食感の後に、鼻を駆け抜ける一陣の草原の風。
ビール、コーヒー、春菊、ゴーヤ。苦いがうまいと思える、苦み走ったいい男です。明日葉の野性味あふれる味わいもまた、絶品ですね。
ツユに浸かると天ぷらはハラハラと解け、そばとともにかきこむ。天ぷら油で唇をテラテラにしていると、店員さんの会話が耳に入る。
「焼豚入りのかき揚げ」「つくるのは面倒」「まあ、食べられる味」など、わずかな単語から内容は断片的だけど、なんか楽しそう。
ともあれ、明日葉に限らず、道端に食べられる草が生えていても気づけないけど、味わいは満喫できました。文字通り、雑食ですから。
ごちそうさまでした。