今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 654)天ぜいろ

f:id:socius_lover:20211111123429j:plain


連濁。耳慣れない言葉ですが「2つの単語をつなげたとき、あとの単語の頭の子音が濁音化すること」です。なんのこっちゃ、ですね。


Wikipedia に詳しいけど「親子喧嘩」「山寺」「鼻血」など例えは枚挙に暇がない。例外はあるけど、発音しやすいのでそうなるらしい。


世の中のあらゆる事象が言語化されていることに驚く反面、自分の知らない知識がまだまだ沢山あるのは、どこか怖い気がしますね。


で、天ぜいろ。これぞ天ぷら+せいろの連濁ですね。熱いつけ汁に、冷たいそばの組み合わせは間違いない。ウキウキと待ちわびる。


まずはつけ汁に浮かぶ三つ葉をパクリ。和風香草の本領発揮で、鼻に抜ける野趣溢れる風味がたまりません。お雑煮が食べたくなるな。


そばを持ち上げ、少しだけツユをつけ、一気に啜り込めば、そばの風味と清涼感のあと、甘塩っぱいツユが彩りを添える。おあしいなあ。


小ぶりな海老天をかじれば、ミシミシと海老の歯ごたえがしっかり。衣から油が滲み出すので、つけ汁がさらにおいしくなるのよね。


そばをどっぷりとつければ、また、違った料理かと思うほど味が強くなる。濃淡を楽しむうちに、せいろはあっという間に空っぽです。


残る海老天を尻尾ごと噛み砕き、そば湯を飲めば贅沢な余韻。食後にたぷたぷの「太鼓腹」をさすれば、これも連濁なのだと気づく。


ごちそうさまでした。