機械化というと、やはり銀河鉄道999を思い出す。機械の体を求めて旅をした鉄郎は、限りある生命の美しさを知り、親から子へ命をつなぐことも永遠の命なのだと悟る。
あるいは機械には趣きがないという人もいる。お燗は電子レンジではなく銅のちろりでつけろ、履歴書は手書きでこそ人柄が見える、電子音声には心がない、などなど。
もうね、そんな人は猛暑日もウチワで過ごせばいいんです。昭和末期に小学生だった私には、今週のビックリドッキリメカや、ジオン驚異のメカニズムが憧れでした。
で、機械が麺を茹でるとききつけて、普段乗らないJRに揺られて、いろり庵きらくに向かう。藤子F不二雄先生のゴンスケのような古風なロボが思い浮かびます。
券売機で朝食そばを購入して呼び出しを待つあいだ、食器下げ口のスキマからロボの活躍を覗く。残念ながら、アームだけでしたが、キビキビと茹で作業を行っている。
子どものころ憧れたロボとは異なるけど、やはり人の手作業をロボが代替しているのをみるとカッコいい。いつもよりも3倍おいしい気がする朝食そばのお出ましです。
ワカメと山菜がのせられたそばに、半熟卵とネギを自分で盛りつける。七味を少しふって、いざ、いただきます。きらくのそばは初めてかもしれないけど、グッドです。
ほどよくダシのきいたツユに、トッピングが重そうな細切りそばが泳ぎ、ツルツル食べれば温まります。山菜はクキクキと歯ごたえよく、ワカメもシャッキリポンです。
半熟卵をそばにからめれば、意外な冷たさに喉越しスッキリ。朝の立ち食いそばとして非の打ち所がないクオリティ。機械の偉大さを痛感しつつ、どんどん食べてゆく。
温度や湿度をみつつ人が茹でないと〜かもしれないけど、5分経ったカップ麺やレンチンで茹でたパスタを好む幸せ舌なので、機械茹でというイベント感が勝りました。
機械の体を拒絶した鉄郎はラーメン好きだっけ。ネジになるのはそりゃ嫌だよなあ。まあ、そば好きの私は、生身の体ながら会社の歯車として頑張っておりますが。ともあれ、松本零士先生に合掌。
ごちそうさまでした。