日向は暖かいけど日陰を歩くと肌寒く、晩秋というか、初冬を感じるこのごろ。お目当てのそば屋さんに滑り込み、温まるものがいいなあ、とメニューをみる。
鍋焼きうどんは仰々しいし、あんかけそばの気分ではない。天ぷら…うーん、かき玉かなと悩んだすえ、かれー南ばんを選ぶ。熱さ、辛さのダブルで温まります。
新そばの季節だから、うどんではなく、そば。まあ、こちらのカレーはコクがあるのて新そばの風味はわかりゃしないけどさ。しばし待って、ご対面です。
カレー南蛮と十把一絡げにいうけど、個性が出ます。ネギはマストとして、こちらは焙煎したようなカレーの辛味で、とろみはそこそこ、豚コマが入ってます。
まずはそぎ切りのネギをパクリ。キュムキュムした食感でよく煮えて甘いのに、カレー味がまさり全体に辛い。ここで刻みネギをのせて、七味をパラリとふる。
そばをそろそろと持ち上げ、跳ねないよう口に運ぶ。そばはカレーのドレスをまとい、唇、舌、喉、と熱源を移しながら食道を通過し、胃でなお存在感を示す。
腑に落ちるとはこういうことか、などと思いつつ体の芯から汗をかいてくる。豚肉をキシキシと噛みしめると、ごはんが欲しくなる味わいです。
お腹からの熱で、オデコにも汗をかいてますが、寒いなかを帰るので、丼ぶりを持ち上げて、ひと口、ふた口とツユを飲んで温まる。これも甘露ですね(笑)
ごちそうさまでした。