朝の小諸そばは混み合っている。券売機に 500 円玉を入れ、何にしたものかと一周眺めるも獲物が定まらず、ふとカレー丼を選んだ自分に驚く。
むろんらそば屋のカレーはおいしい。そばつゆにカレー粉が加わると、もはや別次元のおいしさとなる。家とも給食とも違う、そば屋のカレー。
疲れた胃腸に朝イチで大丈夫かな、などと煩悶。もともとカレー粉に使われるスパイスは漢方の一種だからヘッチャラさ、と自分を説得したり。
程なく呼び出しがかかり、カレー丼を受け取る。全面にカレーソースがかけられているのが「丼」たる証ダナ。匙を手にとり、ひと口パクリ。
思ったよりピリ辛で、米に沈んでいかない程度の適度なとろみもバッチリ。具はブタ肉のみ。ひたすら匙を動かすのに専念して食べすすめる。
実においしい。これは和風カレーの到達点のひとつではないか。提供される速度もそば並みだし、そばつゆ+カレー粉+かたくり粉だけなのかな。
などと思う間に完食。立ち食いそばで単品カレーは邪道かもしれないが、朝っぱらからそばとのセットを食べ切る自信は、はっきり言って、ない。
しかし、満足度は高い。昼まで、というより夜までの活力がチャージできました。舌の奥のほうに残る辛みを、グラスの水でぬぐいさり席を立つ。
ごちそうさまでした。
★しばらくは、食べだめのお蔵出しです。