洋食屋さんのカレーは、間違いない。味付けの基本がやさしいからか、スパイスの刺激すら、どことなく懐かしい。こちらのは、どんなだろう。
カウンターでカツカレーを頼むと、復唱を待つ前にカツの揚がる音が始まる。チリチリ音を BGM にサラダを食べているとマスク越しにいい匂い。
香水のような素敵な香りではなく、油の重厚な匂いが心地よいのは、漢飯ならでは。やがてやってきたのは。お手本のようなザ・カツカレー。
まずはスプーンでカツを取り上げ、ひと口に食べると、アチアチ、ハフハフ、言うことなし。端っこのカツは、なんでこんなにおいしいのだろう。
肝心要のカレーは、ボンカレーならば辛口を超えるほどの辛み。ほどよい硬さの米と合うこと、この上なし。コクというより、キレがあります。
カツは適度に肉厚で、スプーンでひと口大に切り分けて食べてゆく。カレーライス、カツライス、カツカレー、三種の組み合わせは無敵モード。
カツがあるのにカレー自体にもけっこうな肉が入っており、思わずニンマリ。シャア専用のように赤い福神漬けは適度な酸味で、辛みを逃します。
子曰く「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」。おいしい食事もそうありたいと、改めて思いました。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。