育ってきた環境が違うから、好き嫌いはイナメナイ。とは山崎まさよしのセロリだけど、たしかに食の好みは育ちに大きく左右されるだろう。
中でも地域性は大きな要素で、わが家は両親が金沢生まれだからか、カツオが出たことがなく、たぶん学生の頃に居酒屋で食べたのが初鰹です。
まあ、昭和の流通網を思えばやむを得ない。冷凍技術も発達してないし、自分が食べたことのないものは子どもに食べさせない、それだけのこと。
で、ランチメニューをみれば、鮭の塩焼き、サバの塩焼き、鯛の粕漬け焼き、おすすめカツオ丼。どれも魅力的だけど、この季節ならカツオかな。
タタキではなく、生ガツオの丼ぶりですね。センターを陣どるショウガを少しずつ乗せ、カツオをつまみ上げ、小皿の醤油をつけて、パクリ。
新鮮なのだろう。肉厚なのに臭みがなく、オカズヂカラに満ち満ちている。もみ海苔ご飯と一緒にガツガツかきこみ味噌汁で流し込む。シアワセ。
初鰹は女房を質に入れても食べる、なんて江戸っ子気質はありませんが、戻り鰹とは違うあっさり味はやはり格別。おろし生姜もきいてますね。
食い意地に逸る心を、小鉢で鎮める。サヤエンドウの青臭さと歯応えがしみじみおいしいな。こんな境地に達するなら、歳をとるのも悪くない。
ごはん粒を残らずつつき、ぬるくなったほうじ茶をすする。親とは違う食の道を歩んでいるなぁ…久しぶりに母親の鰈の煮付けを思い出しました。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。