今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 327)カツオ丼定食

f:id:socius_lover:20210527191329j:plain


育ってきた環境が違うから、好き嫌いはイナメナイ。とは山崎まさよしのセロリだけど、たしかに食の好みは育ちに大きく左右されるだろう。


中でも地域性は大きな要素で、わが家は両親が金沢生まれだからか、カツオが出たことがなく、たぶん学生の頃に居酒屋で食べたのが初鰹です。


まあ、昭和の流通網を思えばやむを得ない。冷凍技術も発達してないし、自分が食べたことのないものは子どもに食べさせない、それだけのこと。


で、ランチメニューをみれば、鮭の塩焼き、サバの塩焼き、鯛の粕漬け焼き、おすすめカツオ丼。どれも魅力的だけど、この季節ならカツオかな。


タタキではなく、生ガツオの丼ぶりですね。センターを陣どるショウガを少しずつ乗せ、カツオをつまみ上げ、小皿の醤油をつけて、パクリ。


新鮮なのだろう。肉厚なのに臭みがなく、オカズヂカラに満ち満ちている。もみ海苔ご飯と一緒にガツガツかきこみ味噌汁で流し込む。シアワセ。


初鰹は女房を質に入れても食べる、なんて江戸っ子気質はありませんが、戻り鰹とは違うあっさり味はやはり格別。おろし生姜もきいてますね。


食い意地に逸る心を、小鉢で鎮める。サヤエンドウの青臭さと歯応えがしみじみおいしいな。こんな境地に達するなら、歳をとるのも悪くない。


ごはん粒を残らずつつき、ぬるくなったほうじ茶をすする。親とは違う食の道を歩んでいるなぁ久しぶりに母親の鰈の煮付けを思い出しました。


ごちそうさまでした。


しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。