今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 550)天ぜいろ

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ざる、もり、せいろ。海苔の有無や器の違いがありますが、大きくいえば、つけ汁にくぐらせて食べるそば。暑い季節においしいメニューです。


こちらの天ぜいろは、冷たくしめられたもりそばを、熱いつけ汁につけていただきます。甘めで濃ゆいつけ汁に、小ぶりな海老天が待ち構えます。


面白いもので、つけ汁にたっぷりつければ温そば風、チョコっとつければざるそば風の味わい。香り高き三つ葉を食みつつ、勢いよくたぐる。


フワフワの衣をまとったエビは、甘いツユを吸ってぽてぽて。ガブリと食べれば衣の内側はなおサクサクで、エビがぷりぷりと歯を押し返します。


ここで、つけ汁ではなく、そばに直に七味をかけて池波正太郎風でいただく。辛味がぼやけず、そばの清涼感はそのままに喉を通り抜けます。


しめはもちろん、そば湯。外気はどうあれルチンをとらなきゃせいろを食べた甲斐がない。たっぷり注いでふうふう飲めば、滋味に満たされます。


心頭滅却すれば火もまた涼し。打ち水やうちわと同じ昭和マインドな消夏法ですが、カラダは喜んでいそう。デコ汗を拭きつつ、ノレンをくぐる。


ごちそうさまでした。